東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて4日ぶりに反落となりました。39円安の28,458円で寄り付いた日経平均は直後に29円安の28,468円までわずかに持ち直しましたが、戻し切れず下げ幅を広げると10時30分過ぎに331円安の28,166円まで下落し265円安の28,232円で前場を終えました。

226円安の28,271円でスタートした後場の日経平均は13時40分前に308円安の28,189円まで下落した後やや持ち直すと結局267円安の28,230円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

ホームセンター大手のコーナン商事(7516)が5.3%安となりました。前期にあった新型コロナウイルス禍による巣ごもり需要の反動減に加え、8月の長雨などで夏物商品が振るわなかったことなどから上期の営業利益が前年同期比で25.6%減となったことが嫌気されました。

コスモス薬品(3349)も8.3%安となりました。収益認識に関する会計基準を適用したため単純比較はできないものの、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて巣ごもり需要が好調だった前年の反動が出て第1四半期の営業利益が85億円と前年の第1四半期の106億円を下回ったことで売りがかさみました。物語コーポレーション(3097)も9月の既存店売上高が前年同月比で19.5%減となったことで6.6%安となっています。

一方で上期決算を発表した半導体ウエハー搬送装置を手掛けるローツェ(6323)が19.6%上昇しストップ高となりました。データセンター関連や高速通信規格5G対応のスマホの本格普及などで世界的に半導体の需要が高まっていることなどから通期の業績予想を上方修正したことで買いを集めました。また、住友金属鉱山(5713)が非鉄市況の上昇を受けて3.2%高となり、リソー教育(4714)も2022年2月期の配当予想を上方修正したことで3.8%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は267円安となりました。昨日の米国市場が原油など商品相場の上昇を懸念した売りなどで続落となったことで売りが優勢となりました。ドル円が113円台前半まで円安に振れたこともあって小幅安での寄り付きとなりましたが、下げ幅を広げ330円以上下げる場面もありました。

3日間で1,000円近く上昇した後ということもあって一旦は利益確定の売りも出やすいといえますが、こうしたなかで28,000円台を維持してさらに戻りを試す展開が明日以降みられるかがポイントとなりそうです。なお、2月決算企業の上期決算発表が今週に入って一段と本格化していますが、本日も引け後にJ.フロント リテイリング(3086)や東宝(9602)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)