ニューヨークの公立学校の新学期が始まり、実に一年半ぶりに対面授業が全面再開したとのこと。子供たちの間での感染拡大の懸念もある一方で、ワクチン接種が進んだことと、やはり保護者を日中働きやすくするため、即ち経済活動の再開を後押しすることに対する危機感が背景でしょう。日本のワクチン接種率は、恐らく今月末までにはアメリカのそれに追い付くでしょうから、行動制限もしくは自粛要請等の解除の議論は、これから日本でもとても活発になるでしょう。そこには常にトレード・オフ、選択が迫られます。そしてそれは日本は苦手な分野です。昔から苦手だった訳ではなく、恐らく1977年ダッカでの日航機ハイジャック事件での時の首相の発言辺りから、全体を見て論ずることを避けるようになってしまったのではないか、と私は感じています。然しながら、これは避けては通れない問題です。総裁選でも総選挙でも、聞こえのいい話ばかりを聞きたくはないですね。