8月は20日に一時27,000円を割り込む場面がありましたが、月末にかけて反発が続き、2020年9月から11ヶ月続いた月末下落のアノマリーがようやく崩れる格好となっています。
また、8月に入って発生した窓についてもそれぞれ埋める結果となりました。それではチャートを見ながら確認していきたいと思います。
前回の振り返り、反発の継続と窓埋め
前回のコラムでは、「8月24日に窓をあけて上昇した場面で、5日移動平均線が上向きに変化しています。このまま5日移動平均線が上向きを続けると同時に、株価が5日移動平均線上を維持するかが注目ポイントになります」と指摘しました。
また、「仮に5日移動平均線上を維持するようですと、下向きの75日移動平均線辺りまでの反発も視野に入って来ると考えられます」とも指摘しましたが、このコラムを書いている8月31日は大幅高となり、下向きの75日移動平均線に接近して終えているのが分かります。
このように、5日移動平均線上を維持するかどうかといった単純な判断材料と、上値の抵抗となる水準が予めわかっていれば、必ずそうなるというわけではありませんが、その水準まで戻ることが予想できることになるわけです。
また、8月25日~31日までの間に、反発が続いただけでなく2つの窓を埋めています。
1つ目は8月23日と24日にあけた窓です。この窓はコモンギャップ(=普通の窓)で埋まる可能性があると指摘していましたが、8月27日に上向きの5日移動平均線を割り込んだ場面で窓埋めを達成し、その後の上昇につながったと考えられます。
さらに、これまで何度も指摘してきた「月末下落のアノマリー」ですが、8月31日には下落して始まり、5日移動平均線と25日移動平均線を下回る場面がありましたが、割り込んでいたのは午前中だけで、午後に入ってから水準を切り上げ、8月13日と16日の間にあけた窓を埋める水準まで上昇する結果となりました。
このように、コモンギャップが発生してもトレンドの発生には結びついておらず、あいた窓を埋める展開になっているのが分かります。
窓の位置から判断される9月相場の展望について
それでは、まだ埋まっていない窓はどれだけあるのでしょうか。9月相場入りとなる中、コモンギャップが埋まる可能性があることを踏まえますと、窓の株価水準を把握しておくことが値動きを予想する上で役に立つと、これまでこのコラムを読んでいる方ならお分かりいただけるのではないでしょうか。
では、まだ埋まっていない窓についてですが、8月31日の終値を中心にして上下を見ますと、上には「7月13日と14日にあけた窓」、さらに上の水準にある「6月16日と17日にあけた窓」があり、下には「2020年12月23日と24日にあけた窓」と「2020年12月28日と29日にあけた窓」の計4つの窓が挙げられます。
このように埋まっていない窓が4つも存在する中、9月相場が上下どちらかに動き出した場合、窓埋めの考え方から推測すると、いずれかの窓を埋める水準まで株価が動く可能性があると考えられるのではないでしょうか。
では、上の水準にある窓を埋めるとした場合に必要になるのが、上値の抵抗線や下向きの75日移動平均線を終値で上回って維持することです。
一方で下にある窓を埋める展開になるとした場合、5日移動平均線と25日移動平均線を下回って戻せなくなることが考えられます。
果たして、上の水準にある窓を埋めに行くのか、それとも下にある窓を埋めに行くことになるのか、9月も月初からの値動きに注意し、売買判断に役立てたいところです。