8月第3週後半から第4週前半にかけての東京市場は、一旦大幅安となった後に反発する展開となっています。そのような中、この大幅安となる過程で、このコラムのテーマとなっている窓が大きな意味を持つ結果となっています。
それでは前回のコラムを振り返りながら、今後の動向について一緒に考えていきたいと思います。
前回の振り返り&窓埋めと新たな窓の発生
前回のコラムでは「下向きの5日移動平均線と25日移動平均線が今後も上値の抵抗になって株価の反発をおさえた場合、警戒が必要になるのが『下落時の窓の発生』です。」「例えば、7月30日に安値をつけた後で株価は反発していますが、窓をあけながらこの安値を下回るようですと、年始までさかのぼっても下げ止まる節目がありません。そのため以前指摘したように、まだ埋まっていない1月6日と7日の間にあけた窓を埋めることが視野に入ってくるのではないかと思われます」と解説しました。
結果、下方向に新たな窓は発生しなかったものの、5日移動平均線に上値を抑えられる格好となり、指摘した1月6日と7日の間にあけた窓を埋め、年初来安値を更新することとなりました。
また興味深いのはその後の株価の反応です。週末となる8月20日に年初来安値をつけ、翌営業日となる23日から反発に転じると、23日と24日の間に窓をあけて下向きの25日移動平均線を上回って終えているのが分かります。
窓埋めの考え方からすると、窓を埋めたことによる達成感から一旦反発に転じたと考えることができそうです。
新たに発生した窓を埋めるのか、5日移動平均線に注目
また、今回新たに発生した窓についてですが、この窓の種類はどの窓になるのでしょうか。この窓の意味は重要になると思われます。なぜなら、窓の種類によって、反発が継続するのか、あるいは続かないのか、今後の値動きに影響してくると考えられるからです。
ただ今回の窓は、みなさんの予想通りコモンギャップ(=普通の窓)ではないかと思われます。そうなりますと、直ぐに埋めることが考えられます。したがって、反発が続かないようですと、反落して窓を埋めることになるのではないかと考えられますので注意が必要です。
そのような中、引き続き今後の値動きを考える上で判断材料になるのが、5日移動平均線の向きと株価の位置関係です。8月24日に窓をあけて上昇した場面で、5日移動平均線が上向きに変化しています。このまま5日移動平均線が上向きを続けると同時に、株価が5日移動平均線上を維持するかが注目ポイントになります。
仮に5日移動平均線上を維持するようですと、下向きの75日移動平均線辺りまでの反発も視野に入って来ると考えられます。
その反面、5日移動平均線上を維持できずに割り込んでしまい、5日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になるようですと、今回あけた窓を埋めることにつながり、2020年12月28日と29日にあけた窓や12月23日と24日の間にあけた窓を埋めることも考えられます。
さらに、来週は月末になるため、これまでも何度か指摘した月末下落のアノマリーが続くかどうかも影響してきそうです。
仮に5日移動平均線を下回った状態で月末下落のアノマリーが発生するようですと、12月にあけた2つの窓を埋めることが考えらます。また、それと同時に年初来安値を再び更新することになりますので、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意したいところです。