東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて反落となりました。日経平均は161円安の27,581円で寄り付くと取引開始から30分余りで261円安の27,481円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと11時過ぎに71円安の27,670円まで下げ幅を縮め90円安の27,651円で前場を終えました。

135円安の27,606円でスタートした後場の日経平均は直後に169円安の27,572円まで下げ幅を広げた後持ち直すと大引け間際に94円安の27,647円まで戻し結局101円安の27,641円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

目標株価の引き上げが相次いだことで海運大手3社が大幅高となりました。日本郵船(9101)が7.3%高となったほか、商船三井(9104)が10.0%高、川崎汽船(9107)も6.0%高となり、商船三井と川崎汽船は年初来高値を更新しています。

また、投資判断と目標株価の引き上げを受けてヒロセ電機(6806)や大王製紙(3880)が高く、ヒロセ電機が一時5.3%高となり年初来高値を更新したうえ、大王製紙も一時2.3%高となっています。さらにマザーズ市場では旅工房(6548)が一時10.2%高となりました。9月に日本旅行と共同出資で国内外の若者向けに旅行商品をオンラインで販売する旅行会社を新設すると伝わったことが材料視されました。

一方で業務スーパーを展開する神戸物産(3038)が4.0%安となりました。7月の売上高は前年同月比で11.6%増となりましたが、6月の12.4%増から伸びが鈍化したことが嫌気されました。コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス(2579)とガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)も投資判断と目標株価の引き下げを受けて安く、コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスが一時3.3%安となり、ガンホー・オンライン・エンターテイメントも一時5.4%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は101円安となりました。アフガニスタンでの地政学リスクが意識されたことなどで昨日の米国市場が反落となったことから売りが優勢となりました。重要イベントを控えて様子見となりやすいなかで下げ幅を広げる場面もありましたが、節目の27,500円を下回ったことで押し目買いが入り前引けにかけて持ち直しました。しかし、その一方で25日移動平均線(27,666円)近辺では上値が重く、25日移動平均線をわずかに上回ったところで上値が押さえられると後場に入って再び下げ幅を広げる場面がありました。

なお、注目される米カンザスシティー連銀主催の国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演ですが日本時間の23時から行われる予定で、テーパリング(量的緩和の縮小)に関して踏み込んだ発言がみられるかがポイントとなりそうです。また、21時30分には7月の米個人所得と個人消費支出(PCE)が発表されるほか、23時には8月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)