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Q.ホンダの株価が上昇している要因について

よっしー様からのご質問

ホンダの株価についてご教示下さい。

最近は各地で工場閉鎖や車種の生産終了が続いているにもかかわらず、株が上昇していますが、企業の収益が改善されると予想されるからなのですか?

また、今後の株価の見通しを短期的と長期的な観点からご教示下さい。

回答

「最近は各地で工場閉鎖や車種の生産終了が続いているにもかかわらず、株が上昇しています」とありますが、「かかわらず」ではありません。各地で工場閉鎖や車種の生産終了が続いている「からこそ」、株が上昇しているのです。

いま企業価値を語るうえで重要なのは「選択と集中」です。これをうまくやって復活を遂げた日立(6501)やソニー(6758)などの例があります。オリンパス(7733)も祖業のカメラを捨てる決断をしました。

ガソリンエンジンを捨てる英断をしたホンダ(7267)を市場は評価しているということでしょう。

Q.ルネサスエレクトロニクスの株価がさえない理由は?

KEN様からのご質問

ルネサス株を保有しているのですが、上値が重たい展開が続いています。

ルネサスの今後の見通しについてご教授ください。

回答

英国の半導体メーカーであるダイアログ・セミコンダクターの買収が高値つかみになるのでは、という懸念がでているようです。同社を6,000億円超で買収することを決めた2月は市況もよかったですがそこから半年経過し状況も変化しています。

ただ、中長期で半導体需要は伸びる一方ですから、現在強みを持っている車載向けマイコン以外の半導体需要取り込みを狙ってM&Aを行うルネサス(6723)の姿勢は正しいと思います。

Q.ENEOSホールディングスの今後の見通しは?

Gryphon様からのご質問

ENEOSホールディングスの今後の見通しを、どのように思われますか?

コロナからの経済再開をにらんで空運株などと一緒に同社の株を保有していますが、最近(8月中旬)は株価が伸び悩んでいるようです。むしろ、今年の春にバリュー株が物色されたタイミングが売り時だったかな、などと考えてしまいます。

今後、もう一度同社の株が上昇する局面があると思われますか?

回答

「今後、もう一度同社の株が上昇する局面があると思うか」との答えは、もちろんYESです。

ENEOSホールディングス(5020)といえば石油元売りで、ENEOSの看板で有名なガソリンスタンドは将来的にはガソリン車廃止、EVへの切り替えで、いずれ消えてなくなる存在ですが、それにはまだまだ長い時間がかかります。

その間に、これまで蓄えた資本や研究開発技術などを活かして総合エネルギー企業へ生まれ変われるかどうかが鍵ですが、可能性は充分あると見ています。

Q.情報セキュリティのLACがいま一つなのはなぜですか?

本田様からのご質問

数年前、情報セキュリティが伸びると思いLACを1,200円で購入しましたが業績も株価もいま一つ伸びません。

黒字化の見通しが出てきたEV関連の田中化学がほぼ同じ価格なので乗り換えを検討していますが、ご意見いただけたらと思いました。どうぞよろしくお願いします。

回答

情報セキュリティが伸びるのは間違いありません。だから僕はデジタルアーツ(2326)などを好例としてよく解説します。

LAC(3857)はどういうわけか売上原価率が78%と以上に高い。ソフトウエアやシステムの会社の売上原価とはほぼ労務費です。これが異常に高いのは高給のエンジニアがたくさんいるか、もしくは外注委託して費用がかさんでいるかでしょう。

いずれにせよ売上原価がこれだけ高いと利益はほとんど出ません。デジタルアーツなどは売上原価率が20%台ですから売上高営業利益率が40%にもなります。田中化学(4080)がいいか、わかりませんが、LACの財務内容はよろしくありません。

Q.日経新聞に掲載されている市場体温計の見方を教えてください

伊之助様からのご質問

日経新聞において市場体温計のページが1面を割いて掲載されていますが、色々な情報が載っているとは思いますが、数字が多く眺めるだけになってしまっています。

その日の株式市場の動向や方向性(上向きなのか、下方なのか)の参考にしたい場合、どの数字を見れば掴めるか、教えてください。

回答

「その日の株式市場の動向や方向性(上向きなのか、下方なのか)の参考にしたい場合、どの数字を見れば掴めるか、教えてください」とのことですが、残念ながら市場体温計ページには、その日の株式市場の動向や方向性(上向きなのか、下方なのか)がわかる数字はありません。

「その日の方向性(上向きなのか、下方なのか)」ということでは、いちばん参考になるのは前日のNYが上がったか下がったか、それとシカゴCMEの日経平均先物の値でしょう。ただし、それすら参考にならないケースも多々あります。基本的に「その日」一日の動きは、こういう数字を見ても事前にはわからないと思います。

比較的、短期の動向にご興味がおありのようですので、このページでいちばん参考になるのは騰落レシオではないでしょうか。

Q.政権が株価に与える影響は?

えいち様からのご質問

まだ株投資をはじめてから10年くらいなのですが、自民党に政権が移ってからは株価が上がってきました。

今度の選挙で自民党の議席減は当たり前だと思いますが、仮に今の野党が政権を取った場合、しばらく株価は低迷するのではと考えてしまうのですが、どう思われますでしょうか。

なんとなく株価には政権自体は自民党の方がと思っています。

回答

おっしゃる通りですね。「仮に今の野党が政権を取った場合、しばらく株価は低迷する」とお書きになられていますが、しばらくどころではないでしょう。前回の政権交代でいまの野党に政権担当能力がないことがはっきりしています。国民はそこまで愚かではないので同じ轍は踏まないでしょう。

しかし、では自民党ならいいかというと、今回のコロナ禍ではっきりした通り、自民党もまたダメ(の3乗くらい)、ダメダメです(あ、これじゃ2乗か)。

結局、日本にはまともな政治家がいないので、行政システムをうまく動かせない。それが日本国民にとって最大の不幸だと思います。

Q.日本株の見通しを+としているのはなぜですか?

タム様からのご質問

「月刊マーケットの歩き方」が7月度から更新されませんがどうしてですか?

ずっと日本株を”+”とされていましたが、流石にそれが苦しいからですか?

回答

月刊マーケットの歩き方」は8/18に更新しています。質問いただいた日時をみると同じ18日ですので入れ違いになったのですね。

ちなみに「ずっと日本株を”+”としてきましたが、流石にそれが苦しい」と思ったことはありません。

+にする理由はいくつかあって、その資産が絶好調で上がるべくして上がるときも+とするし、ファンダメンタルズはいいのに資産価格に反映されずに価格が下がっていく場合はかえって割安度が高まるので+とします。本当は++としたいところです。

僕はプロなので、自分の判断が外れて仮に「苦しい」と思うような時でも、レポートを更新します。それだけははっきり申し上げておきます。


このコーナーでは、お客様からいただいた質問にチーフ・ストラテジストの広木隆が回答します。

今回は2021年8月4日から8月21日に寄せられた質問から抜粋して回答しております。

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