広木 隆への質問はこちらからご入力ください。 回答対象とするご質問は、サイトへの掲載を考慮して選択採用とさせていただきます点についてご了承くださいますようお願いいたします。
Q.下落が続くローツェと新光電工のPERは何倍が適切でしょうか?
半導体株のローツェと新光電工を持っています。決算内容は良かったと思うのですが、ずっと下げ続けています。
多少の反発はあると思いますが、PER何倍ぐらいが適切な価格と考えればよいでしょうか。
回答
ローツェ(6323)と新光電気工業(6967)のPERは図らずも17倍台で同じです。半導体の堅調な需要と両社の技術のクオリティを考えれば、17倍台はPERの底でしょう。
グロース株、半導体株に逆風が続き下げ続けてきましたがバリュエーション面からそろそろ底値。これ以上の下落はあまり想定できず、下げたとしたら買い場でしょう。
Q.ウェルスナビの今後の見通しは?
ウェルスナビ株を購入するか検討しています。
業界トップでこれからも注目されていくと思うのですが、今後の見通しはいかがでしょうか?
回答
日本の個人の金融資産額を考えれば長期的にブルーオーシャンのマーケットです。若い層が資産運用に目覚めていますので同社の成長は続くでしょう。
ただし若い層は運用額が大きくありません。したがってウェルスナビ(7342)の収益への貢献はずっと先でしょう。
将来性はあるものの、いつまで赤字でやっていけるか。収益基盤が未成熟である間は大手金融機関に買われるなどというケースがありえることも想定しておいたほうがいいでしょう。
Q.金利低下局面で債券バブルが発生するのはなぜですか?
まったく知識のない債券価格についての質問です。金利上昇=債券価格低下のロジックは分かりますが、金利低下局面で債券バブルが発生する理屈がいまいち理解できません。
たとえば短期金利がゼロだとして、3%の利回りが確約されている債券が人気になるのは分かります。とは言え、しょせん利回りは3%なわけで、割り引いた現在価値以上の価格にはならないはずです。
実際のところ、バブルと称するほどの値動きはあるのでしょうか。
回答
金利上昇=債券価格低下のロジックはお分かりになるとのこと。それでしたら金利低下=債券価格上昇のロジックもお分かりですね?
今の金利はどこまで下がっていますか?人類が歴史上経験したことのないマイナス領域まで下がりました(欧州と日本で)。欧州はいまだにマイナス金利、日本はゼロ金利です。史上空前の低金利ですから、債券価格も空前の素っ高値です。
マイナス金利というのは満期まで持つと100で償還される債券を105とかで買う行為です。105で買っても100で償還される前にそれより高く売れると思うから買うわけで、まさにチキンゲーム。これをバブルと言わずに何と言うのでしょう。
Q.日産は今後回復するでしょうか?
日産株を保有していますが、他の自動車関連に比較しゴーン問題以後低いままです。
必ず回復すると願っていますが、もう少し辛抱しているべきか否か、ご教示ください。
回答
自動車産業に投資するなら日産(7201)より、トヨタ(7203)、デンソー(6902)でしょう。
日産は、ハイリスク・ハイリターンではあると思いますが、経営体質が気がかりです。ゴーン問題だけでなく、その前からです。
そもそもゴーン氏による「日産リバイバル・プラン」が必要だったのは業績不振にあえいでいたからです。
それは抜きにしても、トヨタやデンソーの「ビジョン」の大きさは日本の自動車業界でダントツでしょう。次は内燃機関を捨てる決断をしたホンダ(7267)です。
Q.損保に投資するなら東京海上 or 損保ジャパン?
高配当を期待して大手損害保険会社の株の長期保有を検討しています。自動車保険は長期的には事故が減って縮小気味でしょうが異常気象、デジタルセキュリティー等世の中のリスクを考える安定していると思います。
業界の成長性への評価、また投資するなら東京海上or損保ジャパン等の選択についてもご意見を聞かせてください。
回答
選択するなら東京海上(8766)です。
ご指摘の通り、世の中からリスクというものがなくならない限り、リスクをヘッジする保険のニーズは残り続けます。
しかし、ドル箱の自動車保険の転換期を迎える業界の、今後の「絵」はまだ描けない状況です。そういう時にはトップ銘柄への投資のほうが無難でしょう。
このコーナーでは、お客様からいただいた質問にチーフ・ストラテジストの広木隆が回答します。
今回は2021年8月2日から8月13日に寄せられた質問から抜粋して回答しております。
広木 隆への質問はこちらからご入力ください。 回答対象とするご質問は、サイトへの掲載を考慮して選択採用とさせていただきます点についてご了承くださいますようお願いいたします。