国内株式市場は上値の重たい値動きが続いています。このコラムを執筆している8月10日も上値の重たい一日となってしまいました。この1週間どのような値動きになったのか、8月4日から10日までを振り返りながら、今後の動向について考えていきたいと思います。
前週の値動きの振り返り
8月に入ってから先週末の6日にかけて株価の水準が切り上がり、5日移動平均線を上回って終えました。そうした流れもあり、3連休明けの東京市場でも株価の上昇が続くと同時に、取引時間中に下向きの25日移動平均線を上回る場面がありました。
ただ、下向きの25日移動平均線上を株価水準が維持できずに押し返されると、上ヒゲを形成して上向きの5日移動平均線上で終えているのが分かります。
こうした状況から、日経平均株価は25日移動平均線と5日移動平均線に挟まれた状態となっており、上下どちらの移動平均線をブレイクするのかが、今後のトレンド発生のカギになりそうです。
窓埋めと2本の移動平均線
そのような中、今後の値動きを考えるヒントが見られますが、みなさん分かりますか?それは、7月27日と28日の間にあけた窓(=コモンギャップ)を埋めていることです。
仮にこの窓埋めによって株価の戻りが達成されたとなれば、株価は売り物に押されて7月30日の安値に接近したり、割り込んだりすることが予測されます。そこで今後の動向を判断する上で重要になるのが、5日移動平均線と25日移動平均線です。
なぜなら、8月10日の終値は5日移動平均線と25日移動平均線に挟まれて終えており、今後どちらの移動平均線を終値でブレイクするかによって、発生するトレンドが異なるからです。
仮に5日移動平均線を下方向にブレイクするようですと、前述のように窓を埋めたことに加え、下方向への売り圧力が強まることになります。すると、7月30日の安値に接近したり、30日の安値を下回ってまだ埋まっていない1月6日と7日の間にあけた窓を埋めたりすることが考えられます。
一方で25日移動平均線を上回って維持するようですと、まだ埋まっていない7月15日と16日の間にあけた窓や、さらにその上にある7月13日と14日の間にあけた窓を埋めることが視野に入るのではないかと思われます。
このように2本の移動平均線に挟まれた状態で、かつ上下に窓があいたままとなっているときは、5日移動平均線と25日移動平均線のどちらをブレイクするかが、その後のトレンドを決める重要なポイントになります。
ですので、今後の動向に注意すると同時に、発生したトレンドと逆のポジションを持っている投資家は、損失の発生や拡大に注意したいところです。