フェイスブック（FB）決算：一株利益は3.61ドルで市場予想を上回る
企業概要
フェイスブックは、世界最大級のソーシャル・ネットワーキング・サービス（SNS）を運営する。月間アクティブユーザー数は25億人。メッセージ交換、ニュース、写真、ビデオのシェアなどで、ユーザーが互いに交流できる。動画配信サービスWatchは、プレミアムコンテンツのライブラリを構築中で、広告収入や視聴料など収益化を目指す。フェイスブック、インスタグラム、メッセンジャー、ワッツアップ、その他多くのサービスでエコシステムを構成。PCやモバイル端末から利用可能。広告収入が全体の90％以上で、地域別では半分が米国およびカナダ、25％が欧州となっている。粗利益率は80％超、営業利益率は30％以上となっている。
出所：銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期（4月－6月期）実績
★収入･･･前年同期比56％増の290.8億ドル（市場予想は278.6億ドル）
★1株当たり利益（GAAP）･･･3.61ドル（市場予想は3.02ドル）
2021年4－6月期決算は、売上高が前年同期比56％増の290億7,700万ドル（約3兆1,900億円）、純利益が2倍の103億9,400万ドルだった。企業がインターネット広告の出稿を増やし、売上高が四半期ベースで過去最高を更新した。
今後の株価見通し
決算発表を受け、同社株は3.6％程度下げ、358ドル台で推移している（決算日当日NY時間午後8時時点）。ただし、同社株はいまだ上昇トレンドを維持している。電子商取引への取り組みや、人々が異なるデバイス間を行き来することで、バーチャルな環境でのコミュニケーション拡大の余地がある。
フォーティネット（FTNT）決算：一株利益は95セントで市場予想を上回る
企業概要
フォーティネットは、中小企業、企業、政府機関への製品、サポート、サービスの販売を手掛けるサイバーセキュリティー・ベンダーである。製品には、統合された脅威管理アプライアンス、ファイアウォール、ネットワークセキュリティー、およびセキュリティープラットフォームであるSecurity Fabricが含まれる。サービス収入は、主にFortiGuardセキュリティーのサブスクリプションおよびFortiCareのテクニカルサポートによるものである。2019年末の収益に占める割合は、製品が37％、サービスが63％であった。カリフォルニア州を拠点とし、世界中で製品を販売しており、米州が2019年売上高の43％を占めている。
出所：銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期（4月－6月期）実績
★売上高･･･前年同期比30％増の8.01億ドル（市場予想は7.43億ドル）
★1株当たり利益（一部項目を除く）･･･95セント（市場予想は87セント）
第3四半期ガイダンス
★売上高･･･8.00－8.15億ドル（市場予想は7.77億ドル）
★一株当たり利益･･･90－95セント（市場予想は94セント）
通期ガイダンス
★売上高･･･32.1－32.5億ドル（市場予想は31.1億ドル）
★一株当たり利益･･･3.75－3.90ドル（市場予想は3.76ドル）
決算総括
第2四半期の調整済みEPSは95セント、コンセンサス予想は88セントだった。第2四半期の売上高は8億110万ドル、コンセンサス予想は7億4,365万ドルだった。
今後の株価見通し
第2四半期は良好だったが、続く第3四半期調整済みEPSガイダンスレンジと、調整済み営業利益率ガイダンスレンジがともに予想を下回った。ただし、株価は2％下げた程度だ。他の主要項目は依然として堅調だ。
ファイザー（PFE）決算：一株利益は1.07ドルで市場予想を上回る
企業概要
ファイザーは、世界最大手の製薬会社のひとつであり、年間売上高は500億ドル近くに上る。年間80億ドル近い大規模な研究開発投資を行っている。以前は多くの種類のヘルスケア製品および化学医薬品を販売していたが、現在は処方箋薬とワクチンが売上高の大半を占めている。肺炎球菌ワクチンのプレベナー13、がん治療薬のイブランス、心血管疾患治療薬のエリキュース、自己免疫疾患治療薬のゼルヤンツが売上高の上位を占める。これらの医薬品は世界各地で販売され海外市場が全社売上高の50％近くを占める。また、海外市場では新興国市場が収益に大きく貢献している。
出所：銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期（1月－3月期）実績
★売上高･･･前年同期比61％増の189.77億ドル（市場予想は187.86億ドル）
★1株当たり利益（一部項目を除く）･･･1.07ドル（市場予想は0.99ドル）
2021年度通期ガイダンス
★売上高･･･780－800億ドル（従来予想は705-725億ドル、市場予想は738.7億ドル）
★1株当たり利益（一部項目を除く）･･･3.95－4.05ドル（従来予想は3.55－3.65ドル、市場予想は3.75ドル）
第2四半期売上高、調整済みEPSがともに予想を上回った。2021年度通期ベース売上高、調整済みEPSガイダンスレンジをともに引き上げ、両方とも予想を上回った。2021年4－6月期決算は、純利益が前年同期比59％増の55億6,300万ドル、売上高は92％増の189億ドルだった。新型コロナワクチンの売上高が78億ドルとなり押し上げた。
今後の株価見通し
好決算を受け、株価は大きく上昇。上値トライを待つ形だ。
ピンタレスト（PINS）決算：一株利益は25セントで市場予想を上回る
企業概要
ピンタレストは、オンライン上でレシピから料理・旅行先まで、ユーザーがさまざまな製品やアイデアを発見することができるプラットフォームを展開している。2010年に設立されたこのプラットフォームは、女性から強い支持を得ており、月間3億6,500万人に及ぶアクティブユーザーのうち、女性が約3分の2を占めている。デジタル広告枠の販売が主な収益源であり、現在はプラットフォーム上のeコマース機能の強化に取り組んでいる。
出所：銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期（4月－6月期）実績
★売上高･･･前年同期比125％増の6.13億ドル（市場予想は5.62億ドル）
★1株当たり利益（一部項目を除く）･･･25セント（市場予想は13セント）
決算総括
第2四半期月間アクティブユーザー数（MAU）が予想を下回った。また、次の第3四半期売上高伸び率予想が低い。
今後の株価見通し
決算発表を受け72.04ドルで引けた同社株は、引け後の時間外取引で58ドル台の推移となっている。当面底値模索の動きが予想される。
スポティファイ・テクノロジー（SPOT）決算：一株損失は0.19ユーロで市場予想を上回る
企業概要
スポティファイ・テクノロジーは、1億5,000万人を超えるリスナーを有する音楽ストリーミングサービスの世界最大手プロバイダのひとつである。スウェーデンのストックホルムに本社を置く。プレミアムサービスと呼ばれる有料ストリーミングモデルと、広告サポートサービスと呼ばれる広告料を収益源とするモデルでサービスを展開し、ユーザー基盤の収益化を図っている。2017年度のサービス別売上高構成比率は、プレミアムサービスが90％、広告サポートサービスが10％となっている。
出所：銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期（4月－6月期）実績
★売上高･･･前年同期比23％増の23.31億ユーロ（市場予想は22.89億ユーロ）
★1株当たり利益･･･0.19ユーロの赤字（市場予想は0.37ユーロの赤字）
第3四半期ガイダンス
★売上高･･･23.1－25.1億ユーロ（市場予想は23.9億ユーロ）
2021年4－6月期決算で月間利用者数が会社予想や市場予想に届かず、7－9月期の利用者数見通しも市場予想を下回った。他社の音楽配信との競争激化で有料利用者数が伸び悩むとみられる中、広告収入の源泉となる無料利用者数が予想ほど増えず、失望した売りが出た。
今後の株価見通し
広告収入の源泉となる無料利用者数が予想ほど増えず、月間利用者数は前年同期比22％増の3億6,500万人と市場予想（3億7,100万人）を下回ったことから、株価は6％弱下げた。210ドルレベルで値固めフェーズに入ると見る。当面様子を見たい。
