ラスベガス・サンズ(LVS)決算:一株損失は30セントで市場予想を下回る
企業概要
ラスベガス・サンズは、カジノ、ホテル、エンターテイメント、レストラン、ショッピング、会議・展示会施設を備えた世界最大の完全統合型リゾート運営会社である。マカオにザ・ベネチアン・マカオ、サンズ・マカオ、サンズ・コタイ・セントラル・ロンドナー、フォーシーズンズホテル・マカオ、パリジャン、シンガポールにマリーナベイ・サンズ・リゾート、米国にザ・ベネチアン、ザ・パラッツォ・ラスベガスを保有する(ラスベガスの資産は、62億5,000万ドルでアポロ・グローバル・マネジメントとViciプロパティーズに売却する計画)。2025年にシンガポールで4つ目のタワーをオープンするとみられる。ラスベガスの資産売却後は、全てのEBITDA(利払前・税引前・償却前利益)がアジア地域で生み出され、売上高の約80%をカジノ事業が占めることになる。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・11.7億ドル(前年同期は6,200万ドル、市場予想は13.9億ドル)
★1株当たり損益(一部項目を除く)・・・30セントの赤字(市場予想は13セントの赤字)
2020年12月期決算は売上高が前期比74%減の36億1,200万ドル、純損益は16億8,500万ドルの赤字だった。第2四半期売上高は予想を下回り、調整済みEPSの赤字幅は予想以上に悪化した。
本場ラスベガスのカジノから撤退し、マカオとシンガポールで展開するアジア事業に集中する。
今後の株価見通し
同社株は以下の通り、ベアトレンド下にある。57ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。
ハネウェル・インターナショナル(HON)決算:一株利益は2.02ドルで市場予想を上回る
企業概要
ハネウェル・インターナショナルは、旧式のサーモスタット装置を製造した、1885年にアルバート・バッツによって創設されたButz-Thermo Electric Regulatorを前身とする。今日では、世界的な多様な産業に対応する巨大企業であり、最大規模の設備のインストールベースを有する1社である。エアロスペース事業部、ビルディング・テクノロジーズ事業部、パフォーマンス・マテリアルズ&テクノロジーズ事業部、セーフティ&プロダクティビティ・ソリューションズ事業部の4部門からなる。近年、2016年に Intelligratedを追加したほか、2018年にはGarrett Technologies、 Resideoのスピンオフなど、いくつかのポートフォリオ変更を行っている。2019年に、建物、航空会社、重要インフラストラクチャーにおける企業の専門知識を活用するエンタープライズパフォーマンス管理ソフトウェアソリューションHoneywell Forgeを立ち上げた。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比18%増の88.08億ドル (市場予想は86.48億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.02ドル(市場予想は1.94ドル)
2021年度通期ガイダンス
★売上高・・・346-352億ドル(従来予想は340-348億ドル、市場予想は349.6億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・7.95-8.10ドル(従来予想は7.75-8.00ドル、市場予想は8.02ドル)
売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。続く第3四半期売上高、調整済みEPSガイダンスレンジもともに予想を上回った。
今後の株価見通し
好決算だった。利益確定売りに押されたが、再度上値追いの動きが予想される。
ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)決算:一株利益は1.37ドルで市場予想を上回る
企業概要
ベライゾン・コミュニケーションズは、現在では無線通信事業が主な事業(売上高の70%以上、営業利益の大半を占めている)となっている。全国規模のネットワークを有し、ポストペイド契約者数が9,100万人、プリペイド契約者数が400万人、さらに、タブレットなどのデータ端末に接続する2,500万人の顧客を有する米国最大の無線通信会社である。米国でおよそ2,000万人のプリペイド契約者にサービスを提供する無線再販会社TracfoneをAmerica Movilから買収することで合意している。固定回線事業には、住宅および事業者との契約件数がおよそ2,500万件に上る北東部のローカル・ネットワーク事業(売上高の12%を占める)や全国の企業向けサービス(同10%)が含まれる。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比11%増の337.64億ドル(市場予想は326.69億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.37ドル(市場予想は1.30ドル)
2021年通期見通し
★1株当たり利益・・・5.25-5.35ドル(従来予想は5.00-5.15ドル、市場予想は5.14ドル)
★設備投資・・・175-185億ドル (従来予想は据え置き)
売上高、調整済みEPSともに予想を上回った。2021年度通期ベース調整済みEPSガイダンスレンジを引き上げ、これも予想を上回った。
今後の株価見通し
株価チャートは以下のように保ち合っており、60ドル超えから買いのタイミングを図ることになりそうだ。
バイオジェン(BIIB)決算:一株利益は5.68ドルで市場予想を上回る
企業概要
バイオジェンは、バイオジェンとアイデックが合併し2003年に設立された。バイオジェンの多発性硬化症治療薬アボネックスとアイデックの悪性リンパ腫治療薬リツキサンが主力製品であった。現在、リツキサンおよび次世代抗体医薬品ガジバをロシュとの提携で販売している。多発性硬化症治療薬のプレグリディ、タイサブリ、テクフィデラおよびVumerityは、主に自社で販売を手掛けるが、日本では、エーザイと共同で販売を促進している。血友病治療薬エロクテートとアルプロリクスは、2017年にバイオベラティブの一部としてスピンオフされた。フェーズIII試験段階にある開発パイプラインが神経疾患と神経変性疾患分野で複数ある。脊髄性筋萎縮症治療薬ヌシネルセンをアイオニス・ファーマシューティカルズと共同販売した。アデュヘルムは、2021年6月に同社初のアルツハイマー病治療薬として承認された。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比25%減の27.75億ドル(市場予想は26.19億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・5.68ドル(市場予想は4.48ドル)
2021年通期ガイダンス
★売上高・・・106.5-108.5億ドル(従来予想は104.5-107.5億ドル、市場予想は105.9億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・17.50-19.00ドル(従来予想は据え置き、市場予想は18.40ドル)
第2四半期(4-6月期)売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。2021年度通期ベース売上高ガイダンスレンジを引き上げ、予想を上回った。
今後の株価見通し
諮問委員会の3人のメンバーが抗議の辞任をするなど物議を呼んでいるアルツハイマー治療薬「アデュカヌマブ」のFDA(米食品医薬品局)による承認に関して、同社は投資家向けの公開書簡で反撃している。アデュカヌマブは株価に大きなインパクトをもたらす為、今後の動向に注目したい。
フリーポート・マクモラン(FCX)決算:一株利益は0.77ドルで市場予想を上回る
企業概要
フリーポート・マクモランは、世界の上場鉱山企業のなかでも最大の銅の生産量を誇る米国の鉱山会社である。権益を有する資源資産には、銅・金の可採埋蔵量が世界で最大規模の鉱山のひとつとされるインドネシアのグラスベルグ鉱山があり、また、北米、南米においても複数の大規模な鉱山を運営している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比88%増の57.5億ドル(市場予想は58.04億ドル)
★1株当たり損益(一部項目を除く)・・・0.77ドル(市場予想は0.76ドル)
第2四半期売上高は予想を下回ったが、調整済みEPSは予想を上回った。
今後の株価見通し
株価が35ドルを超えてから投資タイミングを図ることになりそうだ。