東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発となりました。日経平均は140円高の27,722円で寄り付くと10時10分前に212円高の27,794円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと11時10分前に81円高の27,663円まで上げ幅を縮め105円高の27,687円で前場を終えました。持ち直し173円高の27,755円でスタートした後場の日経平均は13時20分前に216円高の27,798円まで上昇した後も高値圏で推移すると結局200円高の27,782円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

日産自動車(7201)が5.8%高となりました。第1四半期の決算を発表し米国や中国で新車販売が好調に推移していることなどから通期の最終損益の見通しを600億円の赤字から600億円の黒字に上方修正したことから大幅高となりました。アドバンテスト(6857)も7.3%高となりました。同じく第1四半期の決算を発表し半導体の需要拡大を背景に試験装置の急速な受注増が続いていることなどから通期の営業利益の見通しを850億円から1000億円に引き上げたことで最高益を更新する見込みとなったことや、自社株買いを発表したこともあって買いを集めました。SCREENホールディングス(7735)も第1四半期の決算を発表し半導体製造装置が好調で通期の営業利益の見通しを375億円から445億円に上方修正したことで5.8%高となっています。また、投資判断と目標株価の引き上げに反応したのがネットワンシステムズ(7518)と良品計画(7453)で、ネットワンシステムズが5.8%高となり、良品計画も4.0%高となりました。

一方でTDK(6762)が3.2%安となり年初来安値を更新しました。第1四半期の営業利益は自動車市場の回復でコンデンサーが伸びたほか、半導体製造装置向けに電源の販売が拡大したことなどから前年同期比で67.2%増となりましたが市場予想に届かなかったことが失望されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は200円高となりました。好決算を発表したハイテク株に買いが入り昨日の米国市場でナスダック総合株価指数が反発となったことから買いが優勢となりました。しかし、200日移動平均線(27,804円)を前に伸び悩みました。200日移動平均線を回復できなかったことで上値の重さが意識されそうですが、こうしたなかで明日は昨年の9月から続いている月末の株安というアノマリーを止めることができるかがポイントとなりそうです。なお、明日は決算発表の集中日ですが本日も引け後には富士通(6702)やパナソニック(6752)、ファナック(6954)、村田製作所(6981)などが決算を発表する予定です。また、29日の米国でもアマゾン・ドット・コム(AMZN)などが決算を発表する予定で、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や4-6月期の米GDP速報値などが発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)