AT&T(T)決算:一株利益は89セントで市場予想を上回る

企業概要

無線通信がAT&Tの最大の事業であり、売上高の約40%を占めている。米国第3位の無線通信事業会社で、6,400万人のポストペイド(料金後払い)加入者と1,700万人のプリペイド(料金先払い)加入者に対して携帯電話端末の接続サービスを提供している。ワーナー・メディアは、HBO、ターナー・ケーブルネットワーク、およびワーナー・ブラザーズ・スタジオなどのメディア資産を有し、売上高の約20%弱を占めている。固定事業通信サービスは、広範な事業体にサービスを提供し、売上高の約15%を占める。消費者ブロードバンド部門(売上高の約7%を占める)は、主にブロードバンドサービスを、1,500万世帯に提供している。最近になって、従来のテレビ事業(1,700万人の加入者を有し、売上高の約17%を占める)の持分を売却した。同事業は今後、同社の財務諸表から削除されることになる。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第2四半期(4月-6月期)実績

★売上高・・・前年同期比8%増の440.45億ドル(市場予想は427.61億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・89セント(市場予想は80セント)

★純利益・・・前年同期比7%増の63.76億ドル(市場予想は57.94億ドル)

2021年通期ガイダンス

★売上高・・・2%-3%増(従来予想は1%増)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1桁台前半-1桁半ば台(市場予想は横ばい)

売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。無線通信と動画配信サービス「HBOマックス」の契約者が増加した。

【図表1】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表2】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

インターネット動画配信業界は競争が激化している。同社が第3勢力になっても、体力消耗戦に陥ることになろう。同社株の魅力は36年連続増配である配当貴族株としての実績と、高い配当利回りだったが、減配の可能性が高まったことで、魅力が一気に剥落した。当面は下値模索の動きが予想される。通信サービス株なら、Tモバイル(TMUS)やベライゾン・コミュニケーション(VZ)の方が魅力的だ。

【図表3】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

インテューイティブ・サージカル(ISRG)決算:一株利益は3.92ドルで市場予想を上回る

企業概要

インテューイティブ・サージカルは、最小侵襲手術を支援するためのロボットシステムの開発、製造、販売を手掛ける。また、システムには、計器、使い捨て付属品、および保証サービスも提供される。世界中の病院に約6,000台のダビンチシステムが設置されており、米国では約4,000台が設置、新興市場でも設置台数が伸びている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第2四半期(4月-6月期)実績

★売上高・・・前年同期比72%増の14.6億ドル(市場予想は12.6億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・3.92ドル(市場予想は3.07ドル)

第2四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。とりわけ、手術ロボット「ダ・ヴィンチ」の売上台数は予想を大幅に上回った。

【図表4】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表5】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

同社は「ダ・ヴィンチ」で有名な医療ロボット開発で先行するうえ、手術医の研修といったサービス分野でも強みがあり、競争力は強い。

【図表6】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

アメリカン航空グループ(AAL)決算:一株損失は1.69ドルで市場予想を上回る

企業概要

アメリカン航空グループは、予定有償旅客マイルで世界最大規模の航空会社である。シャーロット、シカゴ、ダラス・フォートワース、ロサンゼルス、マイアミ、ニューヨーク、フィラデルフィア、フェニックス、ワシントンDCを主要なハブ空港とする。大規模な航空機リニューアルを完了し、米国の従来からある航空会社のなかで最も新しい航空機を保有している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第2四半期(4月-6月期)実績

★売上高・・・前年同期比361%増の74.78億ドル(市場予想は74.75億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.69ドルの赤字(市場予想は1.72ドルの赤字)

第2四半期売上高は予想を上回り、調整済みEPS赤字幅も予想ほど悪化しなかった。

【図表7】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表8】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

連邦政府支援と旅客需要の回復が追い風となり、黒字となった。連邦政府支援を加算したアメリカン航空の利益は1900万ドル。これまでのところ新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染拡大による影響は出ていないとしているが、株価は以下の通り底練り状態である。

【図表9】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

アメリカン・エキスプレス(AXP)決算:一株利益は2.80ドルで市場予想を上回る

企業概要

アメリカン・エキスプレスは、世界のおよそ130の国や地域でチャージカード(一括払い方式)、クレジットカード(リボルビング払い方式)事業を展開する金融機関である。収益性の高いマーチャント(加盟店)ペイメントネットワークも運営する。2018年度第2四半期に部門の見直しが行われ、消費者向けサービス部門、法人向けサービス部門、およびマーチャント向けおよびネットワークサービス部門の3部門で構成されている。カード決済サービスに加え、法人向けに経費管理ツール、コンサルティング・サービス、および事業者ローンなどを提供している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第2四半期(4月-6月期)実績

★収入(総収入から利払い分を差し引いたもの)・・・前年同期比33%増の102.43億ドル(市場予想は96.38億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.80ドル(市場予想は1.62ドル)

第2四半期収入と調整済みEPSはともに予想を上回った。営業収益は33%伸び、ミレニアル世代、Z世代、および中小企業の顧客によるプラチナカードの利用が増加した。

【図表10】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表11】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

同社はクレジットカード大手であり、高所得層市場に強みを持つ。クレジットカード利用が頻繁で、信用履歴が健全な顧客に注力していることで、業界でも延滞率や貸倒引当金が低い水準にある。新規顧客の開拓強化、プラチナカードの特典を拡大しつつ、新規入会者数を着実に増やしている。

【図表12】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

DRホートン(DHI)決算:一株利益は3.06ドルで市場予想を上回る

企業概要

DRホートンは、米国の主要な住宅建築業者であり、29州90の市場で事業を運営している。主に、一戸建て住宅(住宅販売収入の90%超)を建築し、初回、住み替え、高級住宅の購入者、活動的な大人向け住宅を提供している。金融サービス部門を通じて、住宅購入者の住宅ローン・ファイナンスや権原エージェンシー・サービスを提供している。テキサス州アーリントンに本拠を構え、米国の5つの地域の住宅営業所を管理している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(4月-6月期)実績

★売上高・・・前年同期比35%増の72.85億ドル(市場予想は71.76億ドル)

★1株当たり利益(一部経費を除く)・・・3.06ドル(市場予想は2.81ドル)

★純利益・・・前年同期比77%増の11.16億ドル(前年同期は10.22億ドル)

2021年通期ガイダンス

★売上高・・・276-281億ドル(従来予想は268-275億ドル、市場予想は272億ドル)

売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。2021年度通期ベース売上高ガイダンスレンジを引き上げ、予想を上回った。

【図表13】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表14】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

同社株は以下のベアトレンドを上抜きつつある。90ドル超えから、107.50ドルを目指すトレンドとなりそうだ。

【図表15】株価5年間チャート
出所:トレードステーション