【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,502.51  △210.22 (6/30)
NASDAQ: 14,503.95  ▼24.38 (6/30)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。雇用の改善を好感して景気敏感株や消費関連株に買いが入りダウ平均とS&P500株価指数が上昇し、S&P500株価指数は史上最高値を更新しましたが、ハイテク株の一角に売りが出てナスダック総合株価指数は下落となりました。1ドル安とほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は直後に46ドル安まで下落しましたが、直ぐに切り返すとその後はじりじりと上げ幅を広げる展開となりました。引け間際に260ドル高まで上昇したダウ平均は結局210ドル高の34,502ドルで取引を終え続伸となっています。また、S&P500株価指数も5ポイント高の4,297ポイントとなり5日連続で史上最高値を更新しています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は24ポイント安の14,503ポイントとなり3日ぶりに反落となりました。

2.経済指標等

6月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は69万2000人増となり市場予想を上回りました。5月の米中古住宅販売仮契約指数も前月比0.8%上昇の114.7となり市場予想を上回りました。一方で6月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は66.1と前月から低下し市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや資本財・サービス、生活必需品などの6業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となりました。一方で不動産やコミュニケーション・サービスなどの5業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでもキャッシュバック・アプリのアイボッタと提携し人気商品の購入でキャッシュバックを受けられるプログラムを立ち上げると発表したウォルマート(WMT)が3%近く上昇したほか、ゴールドマン・サックス(GS)も2%近く上げました。また、ボーイング(BA)とハネウェル・インターナショナル(HON)、スリーエム(MMM)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、キャタピラー(CAT)、ウォルト・ディズニー(DIS)も1%以上上げています。一方でインテル(INTC)が1%余り下げ、ナイキ(NKE)とビザ(V)も1%近く下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が同業のザイリンクス(XLNX)の買収実現性が高まったとの見方から5%近く上げました。ザイリンクスも3%を超える上昇となっています。さらに決算が市場予想を上回る大幅増収となったことや、通期の売上高見通しを上方修正したことで家庭雑貨小売りのベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)が11%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの1.47%となりました。ドル円は111円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことで小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日は寄り付き前の8時50分に日銀短観が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)