日経平均株価のもち合いが続いています。また、もち合いが続く中で株価も方向を探る状態が続いており、投資家にとってはどちらに動き始めるのかの判断に悩ましい状況ではないかと思われます。そこで今回も前回のコラムの振り返りと、今後の動向についてチャートを見ながら分析していきたいと思います。
前回の振り返り
前回のコラムでは2つの考え方について解説しました。1つは、「6月に発生してまだ埋めることができていない3つの窓を埋める水準まで株価が戻るという考え方」でした。そしてもう1つは、「5日移動平均線と25日移動平均線を下回って下降トレンドが発生するという考え方」でしたが、実際の値動きはどうなっているのでしょうか。
チャートを見てのとおり、前週は株価の戻しが続いたものの75日移動平均線に押し返されて終えると、6月に発生した窓を埋めることができずに、6月29日には5日移動平均線と25日移動平均線を下回って終えているのが分かります。
今後の展開について
こうなりますと、実際の株価の動きは2つ目の考え方に近づいていることになります。そのため、仮に5日移動平均線や25日移動平均線上を回復できずに上値が重たい状況が今後も続くようですと、2つの目の考え方が達成される可能性が高まっていると考える必要が出てくることになるため、押し目買いを控える必要がありそうです。
ただ、株価の下降トレンドが発生したり、続いたりするためには下値支持線を終値で下回る必要がありますので、小幅な反落で留まるときは、安値で売ってしまわないよう注意が必要です。
一方で、すぐに25日移動平均線と5日移動平均線を回復したり、75日移動平均線上を回復したりするようですと、もち合いの上限を突破することも視野に入りますので、トレンド発生のタイミングを逃さないようにしたいところです。
新しい窓が発生、窓の種類は?
ところで、チャートの中で先週また新たな窓が発生していることに皆さんお気づきでしょうか。この窓はどの窓で、どういった意味合いを持っていると考えられるでしょうか。
実際の窓を確認します。実は2ヶ所で窓があいているのです。1つ目は、6月24日と25日の間にあけた窓です。そして2つ目は、6月28日と29日の間にあけた窓です。
この2つの窓は、同じ価格帯で発生しており、ちょうど75日移動平均線と25日移動平均線の価格差分くらいの値幅ではないかと思われます。
では、これらの窓の種類は何になるのでしょうか。私は、過去の値幅の範囲内で発生していることからコモンギャップ(=普通の窓)ではないかと思います。
コモンギャップだとするとすぐに窓を埋めてしまうことも考えられますが、トレンドが発生するかどうかの重要な水準ですので、今後この窓を埋めるような状況になるのかが注目されます。
トレンドが発生するのかを探る状況が続いている日経平均株価ですが、果たして今週はどのように動くのでしょうか。みなさんも考えながら値動きをチェックするようにしてください。