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Q.米国の実質金利の見通しは?
実質金利がここ元上昇していると思います。現在もマイナス圏内であることから、そこまで気にする必要はないにしても、今後もこの基調が続くようであれば、全てのインフレ資産にとってはネガティブになると思います。
この「実質金利」の動向や、今後の見通しについて、ご意見いただきたく思います。
回答
「ここ元」がどのくらいのタームを指しているかわかりませんが、グラフから分かる通り直近では期待インフレ(ブレークイーブン)の低下とともに名目金利も下がっており、実質金利の水準はほぼ変わりありません。 春先には、実質金利が上昇しましたね。従って、以前に比べれば、確かにご指摘の通り、実質金利は上昇しています。足元の話をすれば、これもおっしゃる通り、まだマイナスの実質金利ですから、さほど危惧する必要はないでしょう。
過去5年の推移を見ると、実質金利がマイナスになったのは昨年の初めから。つまりコロナ・パンデミックを受けた経済の急変を反映したもので、いわば異常時の環境です。従って、今後経済活動が正常化に向かうなら実質金利もプラスに転じるでしょう。昨日(6月30日)の日経新聞にも書かれていた通り、米国の実質金利に先高観が出ているのは確かですが、それはここで述べた通り、当然の流れです。
Q.オリンピック開催が市場に与える影響は?
オリンピックの事もあり7月8月はコロナの影響で私はまた市場は下げてくるのではと思いますがどうでしょうか?
日本の株式は上下が激しく、1週間前はプラス100万ぐらいあったのに1週間後はマイナス100万ぐらいとかで戻ってくれているので良いのですが、毎回こんなことなら一度利確しておけばと思ってしまいます。
回答
7月から相場の潮目が変わると思います。下半期入りで需給関係が変わります。
東証再編に絡む上場基準も6月末が区切りということもあります。
Q.日本ペイントの今後の見通しは?
日本ペイントを保有しておりますが、暫く軟調が続いております。今後の見通しについて教えて下さい。
半導体不足が解消されて車の生産台数が上がって来れば株価も上昇が見込めますか?
回答
値動きはほかのグロース株同様の推移に見えます。米国金利のピークアウトが鮮明になっており、ここからグロース株の巻き返しが予想されますが、当の日本ペイント(4612)は果たしてこれまで通りのグロース銘柄か、という問題があります。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)元副社長、田中正明氏がCEOを退任しました。正直、がっかりな話です。これで同社に対する見方は、相当程度、引き下げられるでしょう。僕もこの先、この高いバリュエーションを正当化できる理由は見つけられません。
Q.太平洋セメントの株価が冴えない理由は?
太平洋セメントが冴えません。
リチウムイオン電池用の新材料 、枯渇が懸念されるコバルトを使用しない材料の開発も進んでいるみたいなのですが…
買い増しを検討しているのですがどうでしょうか?
回答
太平洋セメント(5233)は「セメント」会社であり、売上・営業利益の6割超がセメントです。
新素材の開発というのは、ほんの「一部」であって、とても同社をリチウムイオン電池関連で評価する投資家はいないと思います。
新素材に注目して投資を検討されるなら別の銘柄を探したほうがいいでしょう。
Q.経営陣を信用できない企業があります
昭和電工についてお尋ねします。
昭和電工は企業買収等により多くの事業を行っていますが、この企業は以前黒鉛電極が思ったより売れて過去最高益を出したにもかかわらず、配当性向を30%目指すと公言しておきながら、15%で済ますなど株主として現経営陣を信用できない企業です。
今後の株価の見通しをご教示いただけると幸いです。
回答
配当性向を30%目指すと公言しておきながら、15%で済ますなど株主として昭和電工(4004)現経営陣を信用できないのであれば、株主総会で質問されることをお勧めします。
まともな回答が得られなければ即、売ったほうがよいでしょう。ただ、今年の総会には間に合わないので、IR担当部署に電話して問い合わせるの良いでしょう。
このコーナーでは、お客様からいただいた質問にチーフ・ストラテジストの広木隆が回答します。
今回は2021年6月21日から6月26日に寄せられた質問から抜粋して回答しております。
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