投資は長期で継続することが重要

もう20年も前のことになりますが、私がマネックス証券在籍時に専用ファンドとして設定した投資信託で「マネックス・日本成長株ファンド(愛称:ザ・ファンド@マネックス)」という銘柄があります。

この投資信託は、日本株の成長銘柄にファンドマネージャーが投資をするアクティブファンドです。

6月17日付の日本経済新聞電子版の「20年間積み立て投資 国内中小型株で運用、上位」という記事で20年間の積み立て投資の運用成果トップ10が掲載され、上記のファンドがランクインしていました。毎月10,000円ずつ20年間の積立をしたとすると、積立元本の240万円が1,151万円になっているそうです(2021年5月末時点)。

この20年の間、リーマンショックを始めとする数々の相場変動がありました。しかしそれでも止めずに継続していれば、投資額が4.8倍に増えていたということです。

資産運用には時間がかかります。しかし逆に言えば、時間をかければ着実に資産を増やすことは可能だということがわかります。

長期投資の果実を享受するためのポイント

このような長期投資の果実を享受できた人は、投資を途中で止めなかった人です。リーマンショック直後の2008年3月には日経平均が7,000円台まで下落し、投資熱は冷え込みました。日経平均は1年間で45%の下落となり、多くの個人投資家が損失を出した結果、そこで株式を損切りし、資産運用を止めてしまった人もいました。

しかし、後から考えてみれば、その暴落したタイミングこそが絶好の投資チャンスだったのではないでしょうか。

感情的に取引をすると、株価が上昇すると投資をしたくなり、株価が下落すると投資を止めたくなってしまいます。タイミングを考えて、相場の底値で逆バリ投資ができる人はほとんどいないと思います。

だから投資に関しては、感情を排除することが大切です。感情を排除できれば、下がったところで投資を途中で止めることがなくなり、結果を出すことができるのです。

「天引き」の発想なら手間をかけずに資産形成できる

私が社会人になって銀行で仕事を始めたとき、その会社には給与から一定額を毎月天引きする財形貯蓄という制度がありました。積立金額を設定すると、毎月その金額が差し引かれてから給与振り込みされていたので、貯金をしている感覚はありませんでした。でも、退職時に全額引き出すと、10年以上の積立で数百万円の資産となっていました。

このように自動的に差し引かれることによって、毎月手間なく、かつ忘れることもなく資産を積立していくことができます。また、感情を排除できますから、株価が下がった時でも購入することになります。

このような毎月の定額積立には「ドルコスト平均法」のメリットもあります。株価が上昇すると買い付け数量が減り、逆に下落すると買い付け数量が増えることにより、平均購入コストが下がっていく効果です。

私の資産運用の中心は不動産に変わりつつありますが、今も投資信託の積立を続けています。

短期相場のアヤをとって利益を少しずつ積み上げる投資方法もありますが、私は積立の仕組みを作って、後は自動的に資産を形成していく投資方法が、特に現役で仕事をしている人には最適だと思っています。

積立は相場の変動にも影響されるため、1年2年では効果が実感できないかもしれません。でも、5年、10年と続けてやっていれば、気が付かないうちに想像以上の資産形成ができていて、やって良かったと思う日も来るのではないでしょうか。