6月に入ってから株価の方向感がはっきりしません。また上値の重たい展開が続いているように見えますが、今後上下どちらかにトレンドは発生するのでしょうか。

またトレンドが発生するとした場合、何に注意すれば良いのでしょうか。前回のコラムで指摘したことを振り返りながら、今後の動向について考えてみたいと思います。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった

前回の振り返り

前回のコラムでは、「窓を埋める水準まで下落する場面があったとしてもトレンド発生するような状況にはならない可能性があります」と解説しました。指摘したとおり、5月27日と28日の間にあけた窓を埋めましたが、その後はもち合いが続く結果となっています。

また、窓を埋めた場合、「窓以外にトレンド発生の要因になりそうなのが、前述の75日移動平均線と5日移動平均線のどちらをブレイクするかです」とも指摘しました。そうしたところ、まさにこの2本線の間で推移する状態が6月8日まで続いているのが分かります。

では、今後どのような状態になれば、株価にトレンドが発生するのでしょうか。今回は2つのポイントを挙げたいと思います。

トレンドが発生する条件とは

1つ目のポイントは、前回のコラムで指摘した75日移動平均線と25日移動平均線のどちらをブレイクするかです。

下向きの75日移動平均線を上方向にブレイクするようですと、上昇トレンドが発生することが期待されます。しかし、その際には上値の抵抗線を突破する必要があるため、75日移動平均線を上回ってもこの抵抗線に押し返されるようですと、再びもち合いになる可能性があり、売買タイミングに注意が必要と思われます。

一方で、25日移動平均線を下方向にブレイクした場合は、日経平均が28,000円前後まで下落する可能性が出てくるため、ここでも押し目買いは慎重に行う必要が出てきそうです。

そして2つ目のポイントですが、これは、メジャーSQとその後の株価動向がポイントになります。メジャーSQは先物とオプションの清算値が決められる日ですが、清算されると同時に、新たなポジションも作られるため、売買代金が膨らむことはよく知られています。

その売買代金が膨らんだところを基準に株価が上回ったり、下回ったりすると、その方向にトレンドが発生することがあるのです。

そのため、今回のメジャーSQが終わったところで、株価がSQ値を上回っているのか、下回っているのかが、トレンドを決める目安になることもあり、注目しておく必要があると考えられるのです。

以上のことから、SQ値、75日移動平均線と25日移動平均線のどちらをブレイクするかを合わせてチェックすることで、今後のトレンド発生やそのタイミングを探ることができるのではないかと思います。