【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,577.04  ▼23.34 (6/3)
NASDAQ: 13,614.51  ▼141.82 (6/3)

1.概況

米国市場は長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出て反落となりました。ダウ平均は50ドル安でスタートするとまもなくして265ドル安まで下落しましたが、持ち直すと昼前にプラスに転じその後はしばらく小幅高で推移しました。しかし、取引終盤に前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開になると結局23ドル安の34,577ドルで取引を終え6日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も141ポイント安の13,614ポイントと反落となり1%安の大幅下落となっています。

2.経済指標等

5月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は97万8000人増となり市場予想を上回りました。先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比2万件減の38万5000件となり市場予想を上回る改善となりました。5月の米ISM非製造業景況感指数も64.0と前月から上昇し過去最高となり市場予想を上回っています。一方で1-3月期の米労働生産性指数改定値は年率換算で前期比5.4%上昇に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が下げ、一般消費財・サービスが1%を超える下落となったほか、情報技術も1%近く下げました。一方で公益事業や生活必需品などの5業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ハイテク株に売りが出るなか電気自動車のテスラ(TSLA)が5月の中国の受注台数が4月からほぼ半減したと伝わったこともあって5%を超える下げとなったほか、半導体株ではインテル(INTC)やアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、マイクロン・テクノロジー(MU)が2%を上回る下落となりました。また、SNS(交流サイト)発の情報で個人投資家が好んで投資するミーム株では、映画館運営のAMCエンターテインメント・ホールディングス(AMC)が普通株1155万株を市場で売却する計画を明らかにしたことで急落し18%近く下げました。

一方でゼネラル・モーターズ(GM)が今年前半の業績が半導体不足に対処した結果、従来予想よりかなり良くなるとの見通しを示したことで6%以上上げ上場来高値を更新しました。また、フォード・モーター(F)も5月の電気自動車の販売台数が過去最高となったことで7%余り上げています。通信機器のシエナ(CIEN)も決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで7%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は良好な経済指標を受けて0.04%高い1.62%となりました。ドル円では円安が進み110円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。今晩に米雇用統計の発表を控え様子見となりやすいなかで日経平均が節目の29,000円を引けで維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)