ストラテジーレポートでも述べた通り、下値は固まってきた感がある。2万8000円割れでは押し目買いが入ることも確認済み。今週は一進一退で2万8000円台を固める展開か。

ただし、2万8500円近辺では戻り待ちの売り圧力も依然大きい。積極的に買い上がる材料も見当たらないなか、懸念は5月27日の引けに行われるMSCIの銘柄入れ替えだ。日本市場から6000億円規模の資金が流出すると観測されており、それに向けて軟調地合いが続く可能性もある。

銘柄入れ替えとは言え、今回、日本株は「0増29減」だ。これも日本の凋落を示すひとつの事象と受け止められ、日本株の弱さの一因となってきた。その意味ではこの売り材料は相当程度、消化済みだろう。6000億円規模の売り要因が見えているなら、機動的に動ける向きは当然、前もって動くからだ。

注目は26日に予定されている米半導体大手エヌビディアの決算だ。加えて、国内要因ではやはりコロナ対応がどうなるか。ワクチンの大規模接種がスタートしたが、緊急事態宣言の延長がどうなるか。ワクチン接種の進展度合いも市場のムードを左右するだろう。

救いは新興市場の回復だ。前週末にかけてマザーズ指数と日経ジャスダック平均は4日続伸。いずれも、きれいな陽線を4つ並べて、戻りの勢いの良さを感じさせる。主力株が手掛けにくいなか、新興市場銘柄が物色の中心となりそうだ。

今週の予想レンジは2万7900円~2万8500円とする。