日本株相場は下値が固まってきたように思う。

その1:「ガッキー・ショック」が起こらなかったこと
誰の目にも不可避と思われた「ガッキー・ショック」は起こらなかった。この弱い地合いのなかで飛び込んできたショッキングなニュースだ。暴落必至と覚悟したが、相場は拍子抜けするくらい無反応だった。石原さとみの時は東証のシステムダウンまで引き起こしたが、それに比べれば上出来である。

その2:バリュエーションが極めて妥当なレベルに落ち着いたこと
決算発表が一巡し、今期の業績が出そろった。大幅な業績回復見通しを反映し、今期の予想PERは13倍台まで低下した。これは過去10年平均(15倍強)を下回る。PBRは1.2倍。ちょうど過去10年の平均値である。

日経平均予想PER
出所:QUICKデータよりマネックス証券作成
日経平均予想PBR
出所:QUICKデータよりマネックス証券作成

その3:時価総額上位銘柄が堅調な推移となっていること
トヨタ自動車(7203)の6年ぶり上場来高値更新を筆頭に、ソニー(6758)、キーエンス(6861)、リクルート(6098)、信越化学(4063)などが底堅く推移している。しまってきた感がある。200日線でサポートされた任天堂(7974)は25日、75日の移動平均を超え、持ち合いを上に放れる兆しを見せている。

今夜はBSテレビ東京「ニュース・プラス9」に出演する。そこで取り上げる銘柄を挙げておこう。

ケイアイスター不動産(3465)
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で住宅需要が拡大で業績好調。増配で買われている。在宅勤務が進み、郊外の戸建てのニーズはこれからも続くだろう。

アウトソーシング(2427)
とんでもなく良い決算だった。第1四半期として12期連続で売上収益の過去最高を更新し、四半期の各利益も同期間の過去最高となった。

ベイカレント・コンサルティング(6532)
やはりDXの流れは変わらない。むしろ強まるだろう。人を大切にする企業、というのも市場に評価される。いまは人的資本が企業価値を決める時代だ。その観点からはトップ推奨銘柄と言える。

福井コンピュータホールディングス(9790)
ROE24%。文句なしに高利益率の商売を手掛ける。

コニカミノルタ(4902)
DXで紙を減らす機運のなか、コロナ禍でオフィス離れで事務機器のサービス収益も低下、逆風続きである。ただ同社の持つ無形資産の大きさには注目。これをテコに事業モデルをうまく組み替えられるか。ヘルステックがひとつの道だ。コーポレートガバナンス優等生でもある。総会シーズンだけに復調を期待。