東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅続落となりました。日経平均は103円高の28,712円で寄り付くと取引開始から5分余りで222円高の28,831円まで上昇しましたが、買いが続かず上げ幅を縮めると9時30分過ぎにマイナスに転じ9時50分前には279円安まで下落し169円安で前場を終えました。266円安の28,341円で後場の取引をスタートさせた日経平均は一段安となり13時40分過ぎに720円安の27,888円まで下げ幅を広げました。その後急速に持ち直し下げ幅を大きく縮めた日経平均ですが結局461円安の28,147円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となり、東証マザーズ指数は昨日に続いて年初来安値を更新しています。

2.個別銘柄等

本日の13時25分に決算を発表したトヨタ(7203)が2.2%高となりました。2022年3月期の営業利益が前期比13.8%増の2兆5000億円になるとの見通しを発表したことで決算発表直後に上昇に転じ一時は2.7%高まで上げ幅を広げました。シャープ(6753)も6.4%高となりました。ディスプレーで好調な市況が続きそうなうえ、複合機なども回復することから2022年3月期の営業利益が前期比21.5%増となる見通しを発表し市場予想も上回ったことが好感されました。ポイントサイトを運営するセレス(3696)も第1四半期の営業利益が前年同期比で2.1倍と急拡大したことで19.2%上昇しストップ高となっています。

一方で日産(7201)が急落し10.0%安となり年初来安値を更新しました。電動化など新型車の開発費用が増えることなどで2022年3月期の最終損益が600億円の赤字となる見通しを発表したことで売りがかさみました。ダイフク(6383)も8.0%安となり年初来安値を更新しました。2022年3月期の営業利益が前期比5.5%増の470億円になるとの見通しを発表しましたが市場予想に届かなかったことで売りが優勢となりました。また、ダイキン工業(6367)も二桁増の営業利益の見通しを発表したものの市場予想に届かなかったことで4.9%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は昨日の米国市場で景気敏感株など幅広い銘柄に売りが出てダウ平均が470ドルを超す下落となったことに加え、台湾の加権指数が急落したことなどもあって461円安となりました。昨日に900円以上も下げた反動で買いが先行しましたが、伸び悩むと下落に転じ下げ幅を大きく広げました。昨日に75日移動平均だけでなく100日移動平均線も一気に下回ったうえに、本日も大きな下げとなったことで下値への警戒感が一段と高まりそうですが、後場に入って下げ渋ったうえに昨日と本日の2日間で1,400円近くも下げたことから明日以降の反発に期待したところです。

なお、本日も引け後には三越伊勢丹ホールディングス(3099)や富士フイルムホールディングス(4901)、NTT(9432)、ソフトバンクグループ(9984)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には4月の米消費者物価指数(CPI)が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)