大型連休があったために間隔があいてしまいましたが、日経平均株価の状況はどのように変化したのでしょうか。それでは連休の谷間の値動きを振り返りながら分析したいと思います。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い窓=埋まった窓

サポートラインを挟んだ値動きと新たな窓が発生

大型連休入り前は、1月29と3月24日のそれぞれの終値を結んだサポートライン上で終えていましたが、その後は4月30日に再びサポートラインを下回りました。
この時の下落についてですが、実は2020年9月から月末下落のアノマリーが継続しており、4月30日もそのアノマリー通りの下落となったことで、そのまま下落が続くのかと心配されました。
しかしながら、翌営業日の5月6日には大幅反発となり、連休明け後の5月10日には5日、75日、25日と3本すべての移動平均を終値で上回って終え、もち合いの中に戻り、買いポジションを持っている投資家はホッとしたところでした。ちなみに、アノマリーとは理論的な根拠はないものの、経験則上よく見られる現象のことを言います。

一方で、月末下落の翌営業日の反発も2021年2月から続いていますが、この反発で4月19日と20日の間にあけた窓を埋めており、この窓がコモンギャップ(=普通の窓)だったことが分かります。

ただせっかく株価水準を回復したものの、海外市場の下落もあって5月11日に窓をあけて下落して始まり、そのまま下げ幅を広げる展開になると、一気にサポートラインを割り込んで大陰線を形成して終える、いわゆる「もち合いの下放れ」が発生する結果となってしまいました。

サポートライン上や25日移動平均線上を回復できるかがカギ

では、ここで発生した窓はどの窓と考えられるのでしょうか。もう皆さんお分かりだと思いますが、過去の値幅の範囲内であるため、コモンギャップ(=普通の窓)であると考えられるのではないでしょうか。

そうなると、またこの窓も今後埋まることが考えられますが、すぐに埋まるのか、あるいは時間を要するのかが注目されるところです。そこでそのポイントとなるのが、サポートライン上と25日移動平均線上を回復できるかです。

ただ、仮にサポートライン上を回復した場合でも注意点があります。それは、下向きに変化した25日移動平均線や下向きに変化しつつある75日移動平均線が上値の抵抗線になるかです。

上値の抵抗線になるようですと、売り圧力が強まってサポートラインの外に押し出され、下降トレンドに変わっていくことが考えられます。

そのため、早期にサポートライン上や25日移動平均線上を回復できるかが重要なカギを握るといっても過言ではないでしょう。

株価が戻せないときは、ファンダメンタルズに変化がなくても株価下落の可能性が高まっていることを意味しますので、損失の発生や拡大に注意したいところです。