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Q.定年退職金の運用について、元金が比較的保障されてある程度の配当金のとれる投資方法を教えてください
最近定年退職して中程度のお金が入りました。預金では減ることもないけれども、今の金利状況では増えることもありません。
投資を考えているのですが、老後のためのお金ですから減らすわけにはいきません。元金が比較的保障されて、ある程度の配当金のとれる投資方法があればご教示いただきたいのですが…
この番組での質問としては、幼稚の限りですが同じことを考えているは方は、大勢いるのではないかと思います。
回答
「この番組での質問としては、幼稚の限りですが」とおっしゃられますが、そんなことはございません。ご指摘の通り、同様のことをお考えの方は多いと思います。
そこで、あえて厳しいことを申し上げるようで恐縮ですが、投資にフリーランチはありません。世界中の投資家が、リスク対比のリターンで少しでも有利な投資案件を探しています。元金が比較的保障されて、ある程度の配当金のとれる投資方法があれば、みんながそれに群がるので利回りはあっという間に低下してしまうでしょう。
「預金では減ることもない」とお考えのようですが、預金先のクレジットリスクは当然考えなければなりません。またインフレになれば実質的にキャッシュは購買力を失い減価することになります。
結論は、ある程度のリスクをとらなければ意味のあるリターンは望めません。「元本がある程度保証されていて」という中途半端な考えは捨てるべきです。それらを踏まえてビギトウケン様にはJ-REITをお勧めします。複数のセクターに分散投資してください。今ならよいリスク・リターン・プロファイルだと考えます。
Q.日本の財政破綻に備えるとしたら、とるべき有効な対策について教えてください
元々膨張を続けてきた日本国の国債残高がコロナ禍で加速しています。日本の財政破綻については「預金封鎖(資産没収)までいく」「ハイパーインフレが起きてそれでチャラになる」「当分何も起きない」などいろいろな意見が戦わされていますが、広木さんはどのようなお立場でしょうか。
また、もし破綻に備えるとしたら、外貨の割合を増やしておくというのが当然あると思いますが、それ以外にとるべき有効な対策がありましたらご教示ください。よろしくお願いいたします。
回答
「預金封鎖(資産没収)までいく」「ハイパーインフレが起きてそれでチャラになる」「当分何も起きない」の中から選ぶなら、「当分何も起きない」が僕の意見であります。
「もし破綻に備えるとしたら、外貨の割合を増やしておくというのが当然あると思いますが、それ以外にとるべき有効な対策教示ください。」
⇒ビットコインを持つのがよろしいかと存じます。ちなみに申し上げると、日本の国債残高は増えていますが、債務が膨張しているのは日本だけではなく世界的な傾向です。その中にあって日本は純債権国トップの座を何年にもわたって維持しています。2位のドイツ、3位の中国に圧倒的な差をつけて世界最大の対外純資産を維持しています。
Q.既存の自動車メーカーへの投資はどう考えてますか
広木さんこんにちは。Market Talkでは最近あまり質問のない自動車メーカーについて質問させていただきます。
近年EV化が進み、テスラや中国企業さらにはアップルの自動車業界への新規参入が話題となってますが、トヨタは別として既存の自動車メーカーへの投資に関してどのようにお考えでしょうか?(私はSUBARUに投資しておりますが、未だにコロナ暴落時の株価水準で低迷しており疲れてきました)どうぞよろしくお願いいたします。
回答
変わろうとしているのは分かりますがスピードが遅く、海外メーカー、特に中国には勝てないでしょう。
競合は海外だけでなくいまやソニーやアップルがEVを作ろうか、という時代です。既存の完成車メーカーは不利な状況にあります。自動車関連では部材、部品メーカーのほうが相対的に良いポジションにあると考えます。
Q.機関投資家の銘柄選択方法は?
機関投資家はどのような方法で銘柄選択をするのでしょうか?
(新聞、業界レポート、コンサル等のレポートなどを丁寧に調べるのでしょうか?)
回答
新聞、業界レポート、コンサル等のレポート、そういうのは参考程度にしかしません。いや、まっとうなプロの投資家は参考にすらしないでしょう。ノイズにしかならないからです。
本当のプロの投資家は自分で調べ、自分で考えたことしか信じません。僕がファンドマネージャーをしていた時は、セルサイドのアナリストではセクターアナリストの情報は参考にしましたが、ストラテジストの話は一切聞きませんでした(笑)。ストラテジーはファンドマネージャーが考えるものだからです。
銘柄選択の方法ですが、ここでそれについてすべてを語るには紙幅が足りません。大枠を述べるとプロの投資家は投資スタイルというものがあり、それに従って銘柄選択します。すごく大雑把に言うと、ふたつのアプローチがあり、ひとつはトップダウン、もうひとつはボトムアップです。
トップダウン・アプローチはマクロ経済シナリオの予測に基づいて、セクターに関してオーバーウェイト、アンダーウェイトの判断をし、そのなかで銘柄選択をしていきます。それについてもバリュエーション、成長性、どこにウエイトを置くかはそれぞれの投資哲学によります。
ボトムアップは反対に徹底して企業目線です。通常は企業訪問をして調査します。普通の投資家はIR担当部署やせいぜい財務担当役員との面談ですが、トップクラスの投資家は社長、CEOクラスにしか会いません。超トップクラスの投資家は社長のほうから自ら足を運んでミーティングに訪れます。このように機関投資家の銘柄選択の方法は千差万別です。
Q.ワクチン関連のJCRファーマやアンジェスの今後について教えてください
いつも参考にさせて頂き、トータルではこのところいい感じです。ありがとうございます。
ワクチン関連のJCRファーマやアンジェスなど今後どんな感じかお教え下さい。
回答
あまり期待できないと思います。JCRファーマはアストラゼネカの原液を製造しますが、アストラゼネカのワクチンは海外で接種制限の動きという悪材料が出てきました。またアストラゼネカはまだ国内で承認されておらず、ファイザーのワクチンが先行する見通しです。
アストラゼネカの原液製造がどれだけの利益貢献になるかはまだ見通せません。アンジェスのワクチン開発は臨床試験の規模や実施方法で不透明な要素が多く、当面赤字が続くでしょう。
ワクチン関連ということで材料株として物色されましたが、もはや国産ワクチンに対する期待はほとんどないので、株価も上昇する可能性は低いと思います。
このコーナーでは、お客様からいただいた質問にチーフ・ストラテジストの広木隆が回答します。
今回は2021年4月13日から4月17日に寄せられた質問から抜粋して回答しております。
更にいただいているご質問の回答はGW中
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