今週に入って株価は下放れてしまいました。また、下放れの要因となったのが、前回のコラムで指摘した新たな窓の発生です。
それでは、前回のコラムで指摘したことを振り返りながら今週も窓について分析していきたいと思います。
前週指摘したことの振り返りと新たな窓の発生
前回のコラムでは、もち合いが続くなかトレンドが発生するために、「ヒントになるのが新たな窓の発生です。先週は久しぶりに窓が発生せずに終えると同時に、終値ベースで見た株価水準がほぼ横ばいになっており、抵抗線と25日移動平均線に挟まれた状態になっています。そのため、膠着した状態から上値の抵抗線をブレイクするためには、窓が発生する必要があるのではないかと考えています」と解説しました。
また、「一方で、25日移動平均線を下回って始まるような窓が発生した場合、上向きの75日移動平均線を下回って3月23日と24日、25日と26日の間にあいた2つの窓を埋めることが視野に入るのではないかと思われます」とも指摘しました。
そうしたところ、先高期待を持って買いポジションを持っていた投資家にとっては残念な結果となりましたが、指摘した25日移動平均線を下回る窓が発生し、20日には75日移動平均線もわずかに下回って終えています。
こうした値動きの予測は、前回のコラムで指摘したようにテクニカル分析ではよく起こることで、珍しいことではありません。したがって、みなさんもテクニカル分析を正しく身に着け、客観的に判断できるようになれば予測は可能になると思われます。
窓を埋めて下げ止まるのか
さて、では今後の値動きについてですが、株価はこのまま下に放れてしまうのでしょうか。それとも3月24日と25日時点のように、75日移動平均線をサポートに反発に向かうことになるのでしょうか。
3月25日の反発時点では、上向きの75日移動平均線がサポートになりましたが、今回もサポートになるのかが注目されますが、サポートになるためには、翌営業日の値動きが重要と言えます。
なぜなら、75日移動平均線を下回って終える時間が長くなればなるほど、75日移動平均線の上昇角度が緩やかになり、反発力が鈍くなると考えられるからです。そのため、早期に75日移動平均線上を回復する必要があると言えます。
仮に75日移動平均線を下回った4月20日の翌営業日となる21日に75日移動平均線を上回って始まるようですと、反発することが期待されます。その反面、下回って始まったり、上回っても維持できずに割り込んだまま終えたりするようですと、前回のコラムで指摘した「3月23日と24日、25日と26日の間にあいた2つの窓を埋めること」が視野に入ると同時に、回復が鈍くなると考えられるのではないでしょうか。ただ、75日移動平均線を下回ったら直ぐに下降トレンドが発生するわけではありません。
サポートラインを維持できるかがとても重要な問題
そこで今回、75日移動平均線を下回った場合のサポートになる可能性がある線を引いてみました。その線が1月29日の終値と3月24日の終値を結んだ延長線です。こうした安値と安値を結んだ線をサポートラインと呼び、テクニカル分析では株価の下支えになると考えられています。
一方でこの線を終値で下回って戻せないと、今回のケースで言えば75日移動平均線に加え、いわゆる三角もち合いのサポートラインも割り込んだことになり、下降トレンドが発生する可能性が高くなります。
そうなりますと、チャート上の左端にある2020年10月以降にあけた窓を埋めに行くことも視野に入ることが考えられるのです。
そのため、75日移動平均線を下回ってもこのサポートライン上を終値で維持できるかどうかが非常に重要な分岐点になることを頭に入れ、今後の値動きを見ていくようにしたいところです。