新年度相場入りとなり、日経平均はいったん4月5日に3万円台を回復したものの、翌営業日の4月6日には値を保つことができずに押し返されています。

また前回コラムでも指摘しましたが、4月相場入りしてからも新たな窓が発生したり、埋まったりしており、窓の発生頻度が上昇していると同時にトレンドが安定していない状況です。

そのような中、今後どのような展開が予想されるのか、いつものように先週の値動きの確認から始めたいと思います。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

頻繁に窓が発生する日経平均

前回コラムでは3月30日までの値動きで解説しましたが、3月31日は月末と年度末が重なる中、下落して終えており、2020年9月末に始まった月末下落のアノマリーが継続する結果となりました。

そして名実ともに新年度入りした4月1日は、25日移動平均線を上回って終えると、4月2日と4月5日に連続して窓をあけて上昇する展開となりました。ただ4月2日と4月5日に窓をあけて上昇したわけですが、4月6日には大幅な反落となり、2日と5日の間にあけた窓を埋める結果となっているのが分かります。

このように、新年度入りしてから窓が2日連続で発生するなど、窓の発生頻度が高まっている反面、この2つ目の窓が翌営業日には埋まっており、方向感がはっきりしない状況となっています。

窓の発生が連続して起こるとトレンドが発生しやすいと考えられますが、今回のように直ぐに埋まってしまうのは、窓の種類とトレンドを押し返す要因があったと考えるのが妥当だと思われます。

窓埋めと抵抗線の関係

そこで、まずは今回発生した2つの窓の種類について考えたいと思います。すでにお分かりかもしれませんが、過去の値幅の範囲内であることから、コモンギャップ(=普通の窓)だと考えられます。

では、なぜ6日も続伸して始まったにもかかわらず押し返されてしまい、窓を埋める展開になったのでしょうか。

その点について、今回はトレンドラインを使って解説したいと思います。トレンドラインとは、その名の通り、株価の方向を示す線のことですが、日経平均などの指数の場合、トレンドラインを引くときのポイントがあります。それは、終値ベースで線を引き、上ヒゲや下ヒゲは除外するのです。

理由としては、指数の場合、気配値でも値が変化して表示されるため、すべての銘柄の値段が確定する終値と終値を結ぶのが一般的だからです。

では実際に引いてみます。今回は2月16日と3月18日の終値を結んで延長したものがトレンドラインになります。

そうすると、4月5日の終値が下向きのトレンドラインで止まっていると同時に、4月6日の大幅安の日も、下向きのトレンドライン上で始まったものの、トレンドライン上を維持できずに押し返されていることが分かります。

このような下向きのトレンドラインを抵抗線(レジスタンスライン)と呼びますが、この抵抗線に押し返されてしまったために、4月2日と4月5日にあけた窓を埋める結果となったのではないかと私は考えています。

5日移動平均線上を維持できるか

過去に、株価の上昇や下落が止まったところを節目と呼び、その節目も抵抗やサポートになることをお話したと思いますが、今回は節目とは異なるトレンドライン、中でも下向きの抵抗線が、株価を反転させるポイントになったのではないかと考えています。

今回紹介した抵抗線は、突破するまで株価を押し返す抵抗として機能し続けるため、早急に上回る必要があります。

そこで今後の展開を考える上で注目されるのが、上向きの5日移動平均線上を維持できるか、です。

仮に5日移動平均線上を維持するようですと、近づいてくる抵抗線を突破することが視野に入ってくる反面、5日移動平均線を割り込んでしまうようですと、25日移動平均線辺りまで下落したり、あるいは割り込んでしまったりすることが考えられます。ですので、下降トレンドの発生には注意が必要な状況と思われます。