前回コラム執筆時の日経平均は25日移動平均線割れで終えていましたが、その後どのような値動きになったのでしょうか。
今週木曜日の4月1日から名実ともに新年度入りとなりますが、日経平均株価はこの時期の重要なイベントとなる3月期決算企業の配当落ちを、3月30日の1日で埋めてプラスとなるなど、先週3月25日に75日移動平均線上で下げ止まって反発した流れが続いているのが分かります。
また、3月30日には25日移動平均線上を回復して終えています。
そのような中、先週は新しい窓が発生していますので、この窓について考えながら、新年度の株価動向を考えてみたいと思います。
新たな窓の発生
前回コラムでは3月23日までの値動きを分析しましたが、その翌営業日の3月24日に新たな窓が発生しました。さらに、3月25日と3月26日の間にも窓が発生しており、窓の発生回数が増えてきました。
ちなみに今回発生した窓も過去の値幅の範囲内で発生していることや、単発で発生していることからコモンギャップ(=普通の窓)と考えています。
また、日経平均は指数ではあるものの、新興市場の個別銘柄のように窓が頻繁に発生するようになっており、ボラティリティも大きくなってきているように思われます。
この頻繁に発生するようになった窓が一方向に向かって発生しているときは、株価の方向を探りやすい反面、今回のようにばらばらの方向に発生するようですと、方向が定まらないだけでなく、売買判断も難しくなるのではないかと思われます。
25日移動平均線上を維持できるか
そのような中、日経平均株価は(3月30日現在)で下向きの25日移動平均線上を回復していますが、明確に上回っているわけではなく25日移動平均線に沿う形で推移しており、はっきりとしたトレンドが発生しているように見えません。
そこで注目されるのが、25日移動平均線上を維持できるかだと思われます。なぜなら、25日移動平均線上を維持するようですと、3月19日と3月22日の間にあけた窓を埋めることが考えられるからです。
仮に3月19日と3月22日の間の窓を埋めると同時に、窓埋めの水準(29,600円台)を維持するようですと、25日移動平均線が上向きに変化して、サポートに変化することが考えられ、3万円台を回復することも視野に入るのではないかと思われます。
上下どちらかの窓を埋め、その水準を維持するかがトレンドを決める?
一方で、3月19日と3月22日にあけた窓を埋められずに25日移動平均線を下回るようですと、25日移動平均線が上値の抵抗になると同時に、今度は5日移動平均線も下回って3月23日から3月26日の間にあけた2つの窓を埋めることが考えらます。また、75日移動平均線に接近することも視野に入ってくるのではないかと思われます。
今回は25日移動平均線を挟んで上下に窓があいているため、どちらの窓を埋めるかに加え、25日移動平均線の向きが重要になってくると考えられますので、方向がはっきりしない状況ではありますが、新年度相場の行方を探る上でもしっかり確認し、売買判断に役立てたいところです。