【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  32,619.48   △199.42  ( 3/25 )
NASDAQ:  12,977.68   △15.79  ( 3/25 )

1.概況

米国市場はバイデン米大統領が就任後初の記者会見で就任100日後までに新型コロナワクチンの2億回の接種を目指すと表明し従来目標の1億回から倍増させたことで感染拡大が抑えられるとの期待が広がり景気敏感株が買われたことで3日ぶりに反発しました。

ダウ平均は73ドル安でスタートするとパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がインタビューで国債など資産購入について我々の目標に向けて大幅な進展がみられたら購入額を徐々に縮小すると述べたことで昼前に348ドル安まで下落しましたが、持ち直すと昼過ぎにプラスに転じ取引終盤には252ドル高まで上昇しました。その後ダウ平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局199ドル高の32,619ドルで取引を終えています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も15ポイント高の12,977ポイントとなっています。

2.経済指標等

2020年10-12月期の米GDP確定値は前期比年率換算で4.3%増と改定値から上方修正され市場予想も上回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比9万7000件減の68万4000件となり市場予想を上回る改善となっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、金融と資本財・サービス、素材が1%を超える上昇となり、公益事業と生活必需品も1%近く上げました。一方でコミュニケーション・サービスと情報技術の2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではボーイング(BA)が目標株価の引き上げを受けて3%を超える上昇となったほか、アメリカン・エキスプレス(AXP)とトラベラーズ(TRV)も2%以上上げました。一方でナイキ(NKE)が3%以上下げ、セールスフォース・ドットコム(CRM)も2%近く下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、外食のダーデン・レストランツ(DRI)が決算で売上高が市場予想を上回ったことで8%余り上昇しました。高級家具販売のRH(RH)も決算で売上高が市場予想を上回る増収となったことで9%余り上昇しています。また、ネット旅行予約大手のエクスペディア・グループ(EXPE)も目標株価の引き上げを受けて5%余り上げています。

さらにバイデン米大統領が就任100日後までに新型コロナワクチンの2億回の接種を目指すと表明したことで空運株が高く、アメリカン航空グループ(AAL)とユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が4%を超える上昇となり、デルタ航空(DAL)も3%余り上げました。動画配信のネットフリックス(NFLX)は目標株価の引き下げを受けて3%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い1.63%となりました。ドル円は109円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の29,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)