前回コラム執筆時は3万円を割り込んで推移していましたが、果たして結果はどうなったのでしょうか。
それではいつものように、前回コラムの振り返りからチェックしたいと思います。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

新たな窓の発生と25日移動平均線割れ

前回コラムでは、上向きの25日移動平均線で下げ止まっていたことから、「25日移動平均線上を維持できるかが注目ポイント」と解説しましたが、3月4日に新たな窓が発生して下落すると、25日移動平均線を一気に下回る展開となりました。

また、25日移動平均線を下回ったあと、下向きの5日移動平均線に押し返される展開となっているのが分かります。さらに前週末の3月5日に下げ幅を広げると、2月5日と8日の間にあけた窓を埋めています。

このように、新たな窓が発生すると同時にこれまで埋まっていなかった窓を埋めていることから、少しずつですが、株価は下方向に動いているのではないかと思われます。

そうした中、2020年11月4日に窓をあけると同時に25日移動平均線を上回って以降、2021年2月末まで25日移動平均線を下回っても翌営業日には回復していましたが、先週の3月4日に25日移動平均線を下回ってからすでに4営業日が経過しており、これまでの値動きと異なってきているのが分かります。

そのため今週は、上向きの25日移動平均線上を回復できるかが注目ポイントになると思われます。

仮に25日移動平均線上を回復するようですと、前回発生した窓を埋めると同時に反発期待が高まることになる反面、このまま25日移動平均線上を回復できないようですと、25日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になることが考えられます。

また、25日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になるようですと、75日移動平均線に接近したり、75日移動平均線を割り込んで、まだ埋まっていない窓に接近したり、埋めたりすることも視野に入りそうです。

25日移動平均線上の回復とメジャーSQ

ただし、3月12日の取引開始後の値動き次第では、それまでの値動きが加速したり、転換したりすることが考えられるため注意が必要です。

なぜなら、3月12日に先物とオプションの清算値を決めるメジャーSQが控えているからです。

メジャーSQは、商いが増加する傾向にあるため、そこで裁定取引などのポジションが清算されたり、新たなポジションが作られたりすることから、SQ値を上回って終えると株価が上昇しやすかったり、下回って終えると下落しやすかったりする傾向にあることが知られています。

そのため、日経平均株価が3万円台を回復するためには、25日移動平均線とSQ値も上回って維持する必要があると考えられますので、こうした3ヶ月に1度やってくるイベントにも注意しておきたいところです。