2月24日から3月2日までの日経平均株価の動きを振り返りながら、前回コラムで指摘した月末のアノマリーについて確認したいと思います。
前週の振り返りと月末のアノマリーについて
まずは前週の振り返りからです。前週は上向きの5日移動平均線を下回って終えていたことから、前回コラムでは「短期的な下降トレンド入りを避けるためには、祝日明けの2月24日の終値で5日移動平均線上を上回る必要があると考えられます」としました。
また、「一方で、5日移動平均線上を回復できないまま、5日移動平均線が下向きに変化するようですと、下落基調が継続することになり、2月15日にあけた窓も埋めることが考えられるのではないでしょうか」とも指摘しました。
実際には、祝日明けの2月24日に5日移動平均線を下回ったままで終えると5日移動平均線は下向きに変化しました。2月25日には5日移動平均線を上回る場面もありましたが、5日移動平均線の向きは下向きのまま、月末を迎えることになりました。
そこで、思い出していただきたいのが、前回コラムで指摘した月末のアノマリーです。
前回コラムでは、「今月もこのアノマリーが続いた場合、月末は下落することになるでしょう。よって、祝日明けの東京市場で5日移動平均線上を回復できないようですと、月末には5日移動平均線を下回って終える可能性が高まり、短期的なトレンド転換になることが予想されます」とお伝えしました。
実際、チャートを確認するとこちらで指摘した通りの展開となっていることが分かります。
また月末の下落幅は、過去10番目の下げ幅となったことに加え、25日移動平均線も下回って終えていることから、いかに強烈な下げだったのかが分かります。
こうしたアノマリーは理論的に説明できないものではありますが、経験則としては意識しておく必要があるということをお分かりいただけたのではないでしょうか。
さらにトレンド分析とアノマリーを組み合わせて考えることができれば、前回コラムで指摘したように、2月末の下落によって短期的なトレンド転換の発生が予測可能ということになるわけです。
もちろんアノマリーですので、必ずしもそうなるわけではありません。しかし、頭に入れておくことで、今回のような場合には事前に利益を確定してポジションを減らすこともできたのではないでしょうか。
新たな窓の発生と窓埋め
では今後の動向についてです。月末の2月26日に大幅安となった場面で窓があいたままになっています。一方で、この時の下落で2月12日と15日とのあいだにあいていた小さな窓を埋める結果となっています。
そうしたなか、3月に入って反発していますが、3月1日に大幅反発して25日移動平均線を上回ったあと、翌営業日となる3月2日も続伸して始まりましたが、2月25日と26日にあけた窓は埋まっていません。
25日移動平均線上を維持できるか
そのため、3月3日以降も上向きの25日移動平均線上を維持できるかが注目ポイントになるのではないかと思われます。
仮に25日移動平均線上を維持するようですと、下向きの5日移動平均線を上回ることも視野に入ってきます。それと同時に、5日移動平均線が上向きに変化して、サポートになったり、反発が続いたりすることも考えられるのではないでしょうか。
一方で、25日移動平均線を終値で下回ると同時に、下回ったまま推移した場合は、5日移動平均線が25日移動平均線を下回るデッドクロスが発生することに加え、5日移動平均線が上値の抵抗になって下落基調が続くことが考えられます。
さらに、下向きの5日移動平均線に押し返されて下落基調が続くと、25日移動平均線も下向きに変化することが考えられ、上昇トレンドから下降トレンドに変わる可能性が高まります。ですので、買いポジションを持っている方は相場の展開を注視して、損失の発生や拡大に注意したいところです。