「お金の管理とダイエットは似ている」--そう語るのは、“ウクライナが生んだ奇跡のボディ”と言われる圧巻のスタイルを持つモデルのカロリーナさん。「ベストボディ・ジャパン2020」の5地区大会(千葉大会・東京大会・名古屋大会・埼玉大会・関東大会)をすべて制覇し、日本大会で見事、女性総合優勝を果たしました。カロリーナさんに美しさの秘訣や、貯金のコツ、お金の価値観について伺いました。

欲望のまま行動しないで、まずは考える

カロリーナさん
1997年ウクライナ生まれ、現在23歳。5歳の時から名古屋で暮らし、大学の時に上京。15歳からモデル活動をスタート。CMや広告モデル、テレビ出演などモデル・タレントとして幅広く活動中。2020年よりマネックス証券にて米国株イメージキャラクターを担当。

――ベストボディ・ジャパンでの女性総合優勝おめでとうございます!大会に向けて、どのように美しいボディをつくられたのですか。

ありがとうございます。今回、大会にチャレンジすると決めてから生活を一気に変えて、食事制限と筋トレを徹底的にやってきました。

毎朝、有酸素運動としてウォーキングをしてから朝食を取り、午後はジムで筋トレする生活です。

食事は肉と野菜を中心に、糖質を抑えたものをすべて自分で作って、外出時もタッパーに入れて持ち歩くようにしていました。外食ですと、なかなか栄養をコントロールできないので。

――大会が終わっても同じ体形を維持されていますか。

2017年に同大会に出場して、その時は準優勝でした。それで、悔しさのあまり食べたいものを好きなだけ食べていたら10kgも太ってしまって。

「このままでは、プロのモデルとしてダメだ!」と思い、再チャレンジしてようやく優勝を果たせました。ですので、今回は大会が終わっても私自身にとってベストな体重である50kg前後をキープできるよう、筋トレを続けながら食生活にも気をつけています。

――ストイックに努力を続けるコツは?

「自分がどうなりたいのか」という目標を明確にすることが大切だと思います。例えば、「今日はジムに行くのが面倒くさいな」と思っても、目標を思い出すことによって「やっぱり行かないと!」と気持ちを切り替えることができますよね。

――「○○が食べたい」とか、「○○がやりたい」といった欲を抑えてこられたと思いますが、物を買いたい欲望に打ち勝つにはどうしたらよいでしょう。

お金の管理とダイエットは似ているように思います。例えば、食べ過ぎてしまった日の翌日は食事を抑えて、プラスマイナスをゼロにするようにしています。お金の管理も同じで、今月は使いすぎたと思ったら次のお給料日まであまりお金を使わないようセーブしています。

ずっと気持ちを抑え続けると、ストレスがたまりコントロールできなくなってしまいますよね。私も「今日は無理!」と思う日はとことん休んで、好きなものも食べます。でも同じ好きなものを食べるにしても、エネルギー消費されやすい時間を選ぶなど、食べ方を考えるようにしています。

食事もお金も、ただ欲望のまま行動に移すのではなく、少し考えて工夫するだけで、結果として大きな変化につながると思います。

――考えることによって欲望をコントロールできる、ということですか。

はい。私は、何かを食べたいと思った時に「これは欲望で食べたいのか、本当に必要としているのか」ということを考え、まずは頭を落ち着かせるようにしています。

大会を目指す中でそのような習慣が身についたことで、お金の使い方も変わりました。例えば買い物で「これ可愛い、欲しい!」と思っても、まず「これを買ってどうしたいのか」を考えるようになったのです。

以前は何も考えずに買ってしまい、買ったことに満足して紙袋から商品を出さぬまま部屋に紙袋が並んでいく…という状況でした。でも、考えるようになってからは無駄な買い物をしなくなりましたね。

――モデルは華やかで、スタイルの維持にもお金がかかるイメージがありますが…。

モデル仲間の中には、家具や洋服、化粧品、美容エステにお金をかけている友だちもいます。でも私はあまり高級品やブランド物に関心がなく。洋服も高級なものより、機能的なものを選ぶようにしています。ブランド物は、汚れたらどうしよう…と思ってしまうので、あまり手が伸びないですね(笑)

逆に、ジムやサプリメントなど身体のメインテナンスに関わるお金については、自分への投資だと思って惜しみなく使っています。特に食材は身体に直接取り入れるものなので、気を使っています。どんな食べ物を食べるかによって、5年後、10年後の自分が変わってくると思いますし。

 

お金の管理は心の安定につながる

――家計はどのように管理されていますか。

大学で上京して一人暮らしを始めた頃、家計簿をつけてみたのですが、全く続きませんでした。支出が可視化される現実に耐えられなくて…。

それからは、毎月給料日に収入額を確認して、普段より少ない時はスーパーなどで安めの商品を選ぶなど支出を最低限に抑えて、収支が常にプラスになるよう調整しています。

――余ったお金はどうされていますか。

今のところは銀行に預けて貯金しています。投資にもチャレンジしたいのですが、現状では未経験です。でも「なぜこんなに株価が変動するのだろう」と興味があって、投資の仕組みを勉強したいと思っています。

――お金を増やすコツがあれば教えてください

通帳の明細をチェックするのが好きで、よく眺めています。引き落としの時は気分が萎えるので見ないようにしていますが(笑)。

お金が増えているのを見ると、達成感が味わえるような気がして。自分の頑張りが数字で確認できると励みになりますね。

――いつ頃からお金を貯める意識を持つようになりましたか。

高校生までは家族と同居していましたので、何となく守られている感覚でお金も自由に使っていました。でも、モデルの仕事を始めて自立して生活するようになってからは、「自分で自分を守るためには、ある分だけお金を使っていてはダメだ」と思って。

というのもモデルの仕事は固定給ではなく、毎月収入が変動しますので、自分でしっかり管理して増やしていこうという意識を常に持っています。

先行きが不透明な世の中を生きていく上で、しっかりとお金を管理することは、心の安定にもつながると思います。

 

お金を通じて、他者を幸せにしたい

――お金に対する価値観を教えてください。

自分に対して使うより、自分以外に対してお金を使う方が幸せだなって思います。

私は自分のものに関しては何でも、もったいないと思ってあまり新しいものを買わないのですが、友人にプレゼントするのは好きで、贈り物にはお金を使います。

お金を通じて、自分以外の誰かを幸せにできるって素晴らしいことだな、と。それは人に対してだけではなく、動物に対しても言えることではないでしょうか。

例えば、私は動物がとても好きで、地球環境破壊などで無邪気な動物たちが生きる場所を奪われている状況に凄く心が痛みます。将来的にはお金を通じて動物たちの保護に貢献できたらなと考えています。

――そのような利他的な考え方を持つようになったきっかけは?

幼い頃に祖母に言われた「良いことも悪いことも必ず自分に返ってくるんだよ」という言葉をずっと意識して生きています。

最初それを聞いたときは、「そんな、誰も見てるわけないだろう」と思って気にしないようにしていました。でも、些細なことでも「悪いことしてしまったな…」と、後ろめたい気持ちを持っていると、上手くいかないことが続いて。逆に、良いことをすると気持ちがスッキリして物事が上手く進む気がしています。ですので、自分以外のものに良いことをしたいと思っています。

「ベストボディ・ジャパン2020」日本大会の女性総合優勝で授与されたの記念サッシュとともに

――将来の夢は?

私は両親が外国人ですが、幼い頃から日本で生活し、自分のことを日本人だと思って生きています。でも、日本語でそのことを説明しても、なかなか理解してもらえないこともあります。ですので、私のように見た目が外国人でも、日本人の心を持って生きている人がいることをより多くの方々に知っていただきたいという夢があります。

国籍に関わらず、外見と内面が異なるアイデンティティを持った方々はたくさんいらっしゃると思います。そういった方々に勇気を与えられるよう、私はメディアを通じて内面を見ることの大切さを伝えていきたいと思っています。

――今後もカロリーナさんの活躍に期待しています。ありがとうございました。

写真:藤井孝太郎

※本インタビューは2021年1月29日に実施しました。
撮影時のみマスクを外して撮影しております。