米国株式市場の波乱が落ち着きを取り戻したことや、新型コロナワクチン普及への期待などを背景に、日本株への強気ムードが早期に回復しました。

TOPIX(東証株価指数)は年初来高値に続いて、2018年高値(1,911.07ポイント)をも上回る展開となっています。日経平均株価よりもTOPIXが強い動きになる方が、相場上昇にも力強さが感じられます。

国内企業の決算発表では上方修正が目立つことや、低金利政策の中で米国経済が好調であること、IMF(国際通貨基金)による世界経済見通しの上方修正なども安心材料です。

ただ、短期的には高値を付けるタイミングに近づいてきたとみています。1月12日付コラムでは、29,500円~29,600円の節目の話をしました。

「2020年3月安値から6月高値までの上げ幅を11月安値からの上昇で当てはめた水準が29,600円です」そして、「2007年7月高値から2009年3月安値までの下げ幅を、2007年7月高値からそのまま上げた水準が29,500円処となります」というのがその内容です。

もう1点、ポイントになるのがTOPIXの節目です。1月12日付コラムでは「2007年高値を起点にその2018年高値をつないで延長した水準」という表現をしましたが、今回はそれを「1993年高値を起点にその後の高値をつないで延長した水準」という表現に修正したいと思います。

結局は同じです。図表に赤線で示したように、上値抵抗線になりうる水準なのです。概ね1,950ポイント前後で推移しているとした場合、NT倍率(日経平均株価÷TOPIX)が15.2倍程度ですので、日経平均株価の水準で言うと29,600円処になるのです。

【図表】TOPIX(週足)(1987/1/5-2021/2/8)
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチ作成

TOPIXは上値抵抗線を超えられるでしょうか。超えて上昇が続く場合、日経平均株価は3万円超えトライとなるでしょう。逆に、押し戻される場合は、高値を付けるタイミングとなりそうです。