1月中旬から後半にかけてのタイミングで、日経平均株価のトレンドが変化した年も近年では珍しくありません。

2017年9月頃から上昇し、翌2018年1月23日に高値を付けてから大幅な調整局面がありました。2019年も9月から反発基調を強め、翌2020年1月20日に高値を付けて上昇一服となった経緯があります。

2021年は2020年11月から上昇基調を強めています。時間的にはまだ上昇余地がありそうですが、上昇幅でみるとかなり幅が出ています。調整はどこかであるでしょう。

ここで問題となるのは「どの程度の幅で調整するか」ということです。なぜなら微調整であれば出遅れ銘柄を選別する意欲は保たれますが、全体的な波乱の調整になると、出遅れ銘柄でもかまわずに売られてしまうからです。

一方、先週末(1月8日)、2015年6月高値を起点とした、右肩上がりの上値傾向線が推移する28,000円前後のフシを上抜けてきました。28,000円超えが2、3日続くようですと、上値に加速する展開も想定できそうです。

まだ先の節目にはなってしまいますが、前回コラムでご案内した29,600円という、2021年の高値の注目水準があります。最近の動きから判断した場合、2020年3月安値から6月高値までの上げ幅を11月安値からの上昇で当てはめた水準が29,600円です。

もっと大きな動きで判断した場合、2007年7月高値から2009年3月安値までの下げ幅を、2007年7月高値からそのまま上げた水準が29,500円処となります。

さらに、TOPIXの推移予想からも想定できます。

実は、TOPIXは依然として2018年高値(1,911ポイント)を上回っていません。2007年高値を起点にその2018年高値をつないで延長した水準が現在1,900ポイント半ばで推移しています。要するに、そこまでTOPIXが上昇したら日本株全体が反落調整に入ることが想像されます。

仮に、TOPIXが1,950ポイント程度まで上昇した場合を考えてみましょう。日経平均株価をTOPIXで割ったNT倍率が15.2倍程度ですので、NT倍率の水準が変わらなければ29,600円処になるのです。

もちろん予想ベースですので当たり外れがありますし、2021年はまだ始まったばかりです。しかし、日経平均株価が年前半で3万円という予想が多い中、大勢の予想には微妙に届かない、ということも十分ありそうです。