日経平均の大発会の下げは、2020年12月のもみ合い相場を上抜けたあとの単なる「リターンムーブ」にとどまるかどうか。揺り戻しやプルバック(Pullback)とも言いますが、フシを抜けた直後にいったん引き返すことがある、株価の習性です。

ただ、こんな小さな規模の「リターンムーブ」ならいいけれど、もっと大きな規模で生じれば、それなりのリスクオフの環境は避けられないでしょう。

例えば、2020年11月頃に行った2021年の日経平均の予想は以下となります。
1月→28,000円高値
2月→26,500円安値
4月→29,000円高値(年初来高値)→2021年1月現在は29,600円に上方修正
8月→24,500円安値(年初来安値)
9月→26,500円戻り高値
11月→24,500円安値(二番底)
12月末→26,500円

2021年1月現在は、当時から4月高値を29,000円→29,600円に上方修正しています。そして、特徴としては、安値が24,500円である点です。

前回コラムの「2021年を予想!日経平均、米ドル/円相場はどうなる?」でお伝えした通り、2020年は2018年以降で形成してきた24,000円前後の上値の壁(フシ)を明確に上抜けました。それが中長期的な波動を予測する上でのプラス材料になるはずです。

しかしながら、2021年はフシを上抜けた直後ともいえ、下値は「リターンムーブ」までは許容しておくべきなのかもしれません。

【図表】2021年の日経平均の予想イメージ図(2020年11月時点の予想)
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチ作成