2020年の本コラムへの投稿もこれで最後になりました。読者の皆さま、1年間、本コラムをお読みいただきありがとうございました。

さて、年末ということもあり、2021年の私なりの予想を書いてみたいと思います。

2021年の日経平均株価は4月頃に転機を迎え、早くて9月、遅くとも11月頃まで調整が続くと予想しています。これまで右肩上がりを続けてきた成長株の一角が調整を迎える可能性が高いと思われます。

その反面、長年安値圏に放置された小型株や長期間レンジで推移している大型株が上昇し、水準訂正が幅広く生じるとみています。

米長期金利の上昇が割安株の相場を演出するも、金利上昇が行き過ぎた段階で成長株から資金が離散するシナリオです。古い企業がニューノーマルに向けた変革を求められ、株式市場では従来のオールドエコノミー株への注目が集まりやすいでしょう。

米ドル/円相場は、春先には1ドル=108円程度まで円安が進むと考えられます。電気自動車の普及速度も予想以上に速まり、自動車関連が堅調に推移すると思われます。

一方、コロナ禍の状態が思った以上に長引き、企業の在宅勤務が一般化し、都市圏のオフィス需給が緩むことも考えられます。東京オリンピックが規模縮小や再延期となれば、日本株の下落要因になるのではないでしょうか。

日経平均株価は1990年7月の戻り高値33,172円から54日間で13,000円程度下げた、いわゆる売買高の真空地帯に入っています。2023年頃に向けて、真空地帯を上昇で取り返しに行く可能性もあり、2021年はそのエネルギーを溜め込む値固めの1年になると予想しています。

2020年11月は月足ベースで実体部分が3,323円幅もある長大陽線を形成しました。2018年以降に形成してきた24,000円前後の上値の壁を明確に上抜けたことが、中長期的な波動を予測する上でもプラス志向になれます。

移動平均線でも12ヶ月線、24ヶ月線、36ヶ月線が収れんしたあとに発散(広がる)しながらトレンドが大きくなっていく可能性が高く、壮大なトレンドが始まったばかりと判断できそうです。

2021年の重要な上値メドは、2007年2月高値から2008年~2009年の安値7,000円処までの値幅11,300円の倍返し29,600円処とみています。

これは、1990年6月高値から同年10月安値までの下落幅13,563円、1991年3月高値から1992年8月安値までの下落幅を習性値幅として、2020年3月安値からの上昇幅として当てはめた29,434円~29,921円とほぼ同水準となり、かなり重要な水準とみています。