東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日ぶりに反発しました。日経平均は144円高の26,580円でスタートすると寄り付きをほぼ高値に上げ幅を縮める展開となり10時前に下落に転じましたが、21円安の26,414円で下げ渋るとまもなくしてプラスとなり34円高の26,470円で前場を終えました。63円高の26,500円でスタートした後場の日経平均はさらに持ち直し13時20分前に126円高の26,562円まで上昇するとその後やや上げ幅を縮めたものの結局88円高の26,524円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

日本オラクル(4716)が急伸し9.7%高となりました。大企業を中心にネットワーク経由でシステムを利用するクラウドサービスの採用が増えたことや新しいデータセンターを開業したことも寄与したことなどから上期の営業利益が前年同期比で10.0%増と二桁の増益となったことで買いを集めました。カジュアル衣料のハニーズホールディングス(2792)も7.3%高となりました。値引きを行わず正規の値段で販売するプロパー販売時期の売り上げが好調だったうえ、収益性の高い電子商取引(EC)の売り上げが想定を上回る見込みで上期の利益見通しを上方修正したことが好感されました。オリエンタルランド(4661)も一時2.9%高まで上昇しました。東京ディズニーリゾートで2021年3月から混雑が見込まれる時期や曜日にチケットの価格を引き上げる変動価格制を導入すると発表したことで客単価の引き上げによる収益改善が期待され買いが優勢となりました。安川電機(6506)も外資系証券が投資判断と目標株価を引き上げたことで3.7%高となっています。

一方でスズキ(7269)が一時4.1%安まで下落しました。政府が2030年代半ばまでに新車販売を電動車にする目標について軽自動車も全て対象に含めると報じたことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は昨日の米国市場でナスダック総合株価指数が史上最高値を更新するなか昨日に大幅安となった反動もあり88円高となりました。トランプ米大統領が米議会で可決された約9000億ドル規模の追加経済対策法案を批判し修正を議会に求めたと伝わったことで法案の成立時期が遅れるとの懸念が広がり、米株価指数先物が下げたことで上げ幅を縮めマイナスとなる場面もありましたが、後場に入って持ち直すと昨日に割り込んだ25日移動平均線(26,511円)や節目の26,500円を引けで小幅に上回りました。そのため下値への不安も一旦後退しそうで、このまま明日以降も25日移動平均線を上回って推移すれば年末高への期待も高まりそうです。

なお、22時30分には米新規失業保険申請件数や11月の米耐久財受注額、11月の米個人所得・個人消費支出(PCE)などが、そして24日午前0時には11月の米新築住宅販売件数や12月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値などが発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)