【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 30,303.37 △148.83 (12/17)
NASDAQ: 12,764.75 △106.56 (12/17)
1.概況
米国市場は米与野党指導部が9000億ドル規模の経済対策で大詰めの協議に入ったことで追加の米経済対策の早期成立への期待が高まり上昇し、主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。ダウ平均は61ドル高でスタートし169ドル高まで上昇した後昼過ぎに一旦80ドル高程度まで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直すと結局148ドル高の30,303ドルと反発し4日に付けた史上最高値(30,218ドル)を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も21ポイント高の3,722ポイントと3日続伸となり8日に付けた史上最高値(3,702ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も106ポイント高の12,764ポイントと4日続伸となり前日に続いて史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週から2万3000件増の88万5000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。また、12月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数も11.1と前月から低下し市場予想を下回りました。一方で11月の米住宅着工件数は年率換算で前月比1.2%増の154万7000戸となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーとコミュニケーション・サービスを除く9業種が上げました。そのなかでも不動産と素材、ヘルスケアが1%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)が2%を超える上昇となったほか、ホーム・デポ(HD)とナイキ(NKE)、ビザ(V)、アムジェン(AMGN)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、セールスフォース・ドットコム(CRM)も1%以上上げています。一方でボーイング(BA)が2%余り下げ、インテル(INTC)も1%近く下落しました。ダウ平均構成銘柄以外では、住宅建設大手のレナー(LEN)が決算が大幅な増益となったことで7%を上回る上昇となりました。コンサルティング大手のアクセンチュア(ACN)も決算が市場予想を上回る増収増益となったうえ、通期の業績見通しを上方修正したことから7%近く上げ上場来高値を更新しています。また、音楽出版・レコード大手のワーナー・ミュージック・グループ(WMG)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて8%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い0.93%となりました。ドル円は103円台前半で推移しています。一時102円台後半まで円高が進む場面もありました。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高が相場の支えとなる一方で、円高が重石となるなど強弱材料が入り混じる格好となっていることから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか金融政策に変更はないとみられますが、昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)