週明け(12月14日)、TOPIXが再び年初来高値を更新してきました。時価総額が大きいセクターに循環物色が効いてきているようです。

テクニカル面からは、2019年9月や2020年6月に高値を付けた時と同様に、25日移動平均線から5%乖離あたりで伸び悩んでいます(図表の下段)。しかし最近では、上昇スピードが強くなってきた25日移動平均線との乖離が縮小し、いよいよ拡大局面(株価上昇)に入る可能性が高くなってきたように思います。

【図表】TOPIXと25日移動平均線が接近(2019/7/1-2020/12/11)
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチ作成

株価が25日移動平均線を下回る可能性もあって、「メジャーSQ通過後に下げる」との市場の見方も多くありました。それだけに、週明け早々に強気継続を示したことで、「掉尾の一振」に向けて、買い方にとっては「持たざるリスク」、売り方にとっても「焦り」につながる動きになったと思われます。

また、図表の上段をご覧ください。株価が25日移動平均線を下から上抜いて上昇し、最初の調整局面においては、25日移動平均線から再び上昇した(矢印)ケースが過去に多かったことがわかります。今回も11月に上抜けたあとの最初の調整段階にあり、25日移動平均線から再び上値を伸ばす可能性の方が高いとみています。

ただ、バリュエーション面からみて割高になっているのも確かです。株価を1株あたりの純資産で割ったPBR(株価純資産倍率)の四半期ベースの水準でみると、TOPIXはコロナショックで急落する前の高値水準や、9月の高値の際には、PBR1.3倍前後が結果的に株価の上値のフシとなりました。しかし、現在はPBR1.3倍を明確に超えてきています。

2018年に推移したPBR1.3倍~1.4倍に水準が切り上がった可能性もあります。だとすれば、年内で1.4倍の1850ポイント程度までの上値余地はあり得るでしょう。国内でも新型コロナワクチンの接種時期が示されるようなことがあれば、1.4倍を超えて上昇する場面もあるかもしれません。