【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 30,173.88  △104.09 (12/8)
NASDAQ: 12,582.77  △62.83 (12/8)

1.概況

米国市場は英国で新型コロナウイルスのワクチン接種が8日から始まったことでワクチン普及への期待が高まり上昇しました。71ドル安と下落して始まったダウ平均ですがまもなくしてプラスに転じると上げ幅を広げ取引終盤には176ドル高の30,246ドルまで上昇し4日に付けた史上最高値(30,218ドル)を上回る場面もありました。しかし、引けにかけてやや上げ幅を縮めると結局104ドル高の30,173ドルで取引を終え反発となっています。また、S&P500株価指数が10ポイント高の3,702ポイントと反発し4日に付けた史上最高値(3,699ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も62ポイント高の12,582ポイントと4日続伸となり前日に続いて史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

7-9月期の米労働生産性指数改定値は年率換算で前期比4.6%上昇に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーやヘルスケア、素材などの6業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となりました。一方で不動産や公益事業、コミュニケーション・サービスなどの5業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が上げました。そのなかでもダウ(DOW)が2%を超える上昇となったほか、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)とスリーエム(MMM)、アムジェン(AMGN)、トラベラーズ(TRV)も1%以上上げました。また、インテル(INTC)とウォルマート(WMT)も1%近く上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、AT&T(T)が新動画配信サービスの利用者数が大きく増えそうだとの見通しを明らかにしたことで4%近く上げました。ファイザー(PFE)も英国で新型コロナウイルスのワクチン接種が8日から始まったことで3%を超える上昇となっています。一方で住宅建設大手のトール・ブラザーズ(TOL)が8%近く下げました。決算は市場予想を上回りましたが、引き渡し件数の見通しが市場予想を下回ったことが嫌気されました。他の住宅建設株にも売りが波及しレナー(LEN)も5%安となっています。 

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの0.92%となりました。ドル円は104円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の26,500円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)