【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 29,969.52  △85.73 (12/3)
NASDAQ: 12,377.18  △27.82 (12/3)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は37ドル高でスタートすると追加の経済対策への期待から上げ幅を広げ取引終盤に227ドル高の30,110ドルまで上昇し先月24日に付けた史上最高値(30,046ドル)を一時上回りましたが、ファイザー(PFE)が供給予定の新型コロナウイルスワクチンの今年の出荷量が当初予定の半分になると伝わると急速に上げ幅を縮め6ドル安と小幅にマイナスに転じる場面もありました。その後引けにかけてやや持ち直したダウ平均は結局85ドル高の29,969ドルで取引を終え3日続伸となっています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も27ポイント高の12,377ポイントと反発し1日に付けた史上最高値(12,355ポイント)を更新しています。一方でS&P500株価指数は2ポイント安の3,666ポイントとなり3日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比7万5000件減の71万2000件となり市場予想を上回る改善となりました。11月の米ISM非製造業景況感指数は55.9と前月から低下したものの市場予想は上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや不動産、資本財・サービスなどの6業種が上げ、エネルギーは1%以上上昇しました、一方で公益事業や素材、コミュニケーション・サービスなどの5業種が下げ、公益事業は1%を超える下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が7%を超える上昇となったほか、欧州格安航空会社(LCC)最大手のライアンエアーから運航停止中の737MAXを75機受注したと発表したことでボーイング(BA)も6%近く上げました。一方でホーム・デポ(HD)とビザ(V)が1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、電気自動車のテスラ(TSLA)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて4%を超える上昇となりました。新型コロナウイルスワクチンの今年の出荷量が当初予定の半分になると伝わったファイザーは2%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%低い0.91%となりました。ドル円は円高に振れ103円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか高値警戒感がある日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)