豪ドルは中国及び米国の株価と連動
中国が豪州からの一部輸入制限に動くなど、中国と豪州の関係が悪化している。豪州の貿易に占める中国の割合は約3割にも達していることから、豪ドルも中国の影響を受けやすいと見られてきた。では、この中国と豪州の関係悪化は、豪ドルにどのように影響するだろうか。
ただ今のところ、豪ドルにこのような中国との対立がネガティブな影響とはなっていない。むしろ豪ドル/米ドルは、コロナ・ショック後の豪ドル高値圏での推移となっている。そしてそんな豪ドル/米ドルの動きは、中国の株価である上海総合指数とおおむね連動した状況が続いている(図表1参照)。
【図表1】豪ドル/米ドルと上海総合指数 (2020年1月~)
これを見る限り、豪ドル/米ドルは豪州と中国の対立より、中国経済を反映した中国の株価との連動が基本といった構図が、今のところ続いているようだ。
また、そんな豪ドル/米ドルは、「コロナ後」は米国の株価、NYダウと高い相関関係が続いてきた(図表2参照)。上海株の上昇も、そんな「コロナ後」の世界的株高の一環といえるだろう。
【図表2】豪ドル/米ドルとNYダウ(2020年4月~)
上のように見ると、豪ドルの下落リスクは、豪州と中国の対立以上に、世界的な株高が転換し、米国及び中国の株価の下落リスクが高まるかが目安になるのではないか。