11月相場が終了し、日経平均の月足ベースの終値は26,433円での着地となりました。始値が23,110円でしたので、ローソク足の実体部分が3,323円幅もある「長大陽線」と表現しても問題ないでしょう。
このような長い足はどの水準で出たかが重要です。
今回は2018年以降に形成してきた24,000円の上値の壁を突破する足になったことで、ここからはレンジの中を上げ下げする相場とは質が違ってくる可能性が高いとみられます。短期目線では過熱感がありますが、長期目線では過熱感とは程遠い印象です。長期目線で過熱感が出てくるのは、それこそ、数ヶ月間上昇が続いたあとの話になります。
さて、移動平均線を切り口にすると、月足でよく使われるのは、12ヶ月線、24ヶ月線、60ヶ月線などです。ちょうど1年、2年、5年の足となりますが、その間に36ヶ月線(3年)と48ヶ月線(4年)を入れ込んで、チャートを一度ご覧になってください。
通常、大きな上昇相場で天井打ちになるのは、短期線と長期線の水準が大きく広がったあとです。ところが、足元をみると、いちばん短い期間で計算される12ヶ月線からいちばん長い期間で計算される60ヶ月線までは1,700円程度しか開きがありません。
ちなみに、2018年高値時には4,000円に広がっていましたし、2015年の高値時には5,600円程度に広がっていました。
通常、相場は短期・長期の複数の移動平均線が収れんしたあとに発散(広がる)しながらトレンドを形成していくものです。しかし、現時点では1,700円幅の狭いレンジに12ヶ月線から60ヶ月線までが収まっている状況なのです。しかも、株価の下方で帯のように集まっています。つまり、広がっていくストーリーはここからではないか、と予想できます。
当然ながら、1ヶ月間で3,000円以上も上昇したのですから、短期的には押しがあるでしょう。しかし、壮大なトレンドが始まったばかりだとすると、12月のスタンスはおのずと決まってくるのではないでしょうか。
24,000円からコロナショック時の安値16,358円までの下げ幅を基準とし、その倍返し程度の上昇があっても不思議ではないように思われます。