日経平均株価は11月12日までの8連騰に加え、週明け(11月16日)の上昇で26,000円が射程圏に入ってきました。6月9日高値を起点とした上値抵抗線を突破してから、何日も経っていません。これこそがもち合い放れ後のダイナミックな上昇であり、1991年以来29年ぶりの水準まで駆け上がってきました。
筆者がこの水準を経験したのは、大学卒業後に証券会社に入った直後です。今や3万ドルを超えそうなNYダウ平均は、当時3,000ドル程度だった記憶があります。
さて、2018年以降に形成してきた24,000円の上値の壁を突破したのですから、これまでと同じ発想ではここからの相場についていけないような気がします。24,000円を上限に、上げたり、下げたりする相場とは質が違ってくる可能性があります。
確かに、200日移動平均線からの上方かい離は17.5%(11月16日)と、2016年以降に天井を付けてきた水準を上回りました。そういった意味では、短期的には超過熱ゾーンで、いつ反落調整があっても不思議ではありません。
ただ、バブル崩壊以降の反発局面では20%を超えたことも珍しくなく、それ相応の動きも期待できそうです。急騰前まで形成してきた8月以降のもみ合い期間(時間)なども考えると、これで終わりということでもないと思います。
上述した短期的で超過熱的な動きが、中長期的な波動を予測する上でのヒントになることがあります。当面の上値メドで重要なのは、1991年3月高値27,146円付近、1月20日高値から3月19日安値までの下落幅7,531円に対する1.5倍返しの上げと見た、27,848円処などが挙げられます。
しかしながら、そこまでいくとバブル高値からの急落過程で滞留時間がかなり短い価格帯となります。1990年7月17日に付けた戻り高値33,172円~同年10月1日の安値20,221円までの54日間で13,000円程度下げた、いわゆる売買高の真空地帯です。そこを振り返らないと、バリュエーションだけでは理解不能な状態に陥りかねません。
現時点ではあくまでも筆者の妄想の域になりますが、当時、急落した水準を急騰で取り返しに行く相場が年度内にあり得ないこともないように思われますので、引き続き今後の相場動向には注視したいところです。