下値103.6円、上値107.8円に注目

米ドル/円は、米大統領選挙後の先週、103円割れ近くまで急落したものの、週明けは、105円台まで急反発となった。

上述のように、104円割れとなったところで、米ドル/円は90日MA(移動平均線)を2%以上下回った。ただ、週明けに105円まで米ドル急反発となったことで、90日MAからのかい離率は改めてマイナス2%以内に縮小した(図表参照)。

【図表】米ドル/円の90日MAからのかい離率(2020年4月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

経験的に、4年に一度の米大統領選挙を前後して、米ドル/円が90日MAを2%以上かい離すると、そのまま一段とかい離率を拡大、つまり一方向への大相場が展開するところとなった。

ただ、今回の場合、米ドル/円は、週明けに105円まで急反発となったことで早々に90日MA±2%以内に戻ってきた。90日MA±2%のレンジをブレークすると大相場になるといった「米大統領選挙アノマリー」は、一旦仕切り直しとなった形だ。

それにしても、大統領選挙後に、米ドル/円が90日MAからのかい離率±2%以上に継続的な拡大となったのは、2016年は11月10日以降、そして2012年は11月15日以降だった。以上を参考にすると、米ドル/円の「豹変」90日MA±2%ブレークは、今週以降で改めて問われることになる可能性がある。

足元、105.7円程度の90日MAから±2%の水準は、下値は103.6円程度、一方の上値は107.8円程度といった計算になる。今週以降、下値103.6円程度、上値107.8円程度の水準をブレークした方向に大きく動き出す可能性は引き続き注目される。