【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 28,335.57  ▼28.09 (10/23)
NASDAQ: 11,548.28  △42.28 (10/23)

1.概況

先週末の米国市場はギリアド・サイエンシズ(GILD)のレムデシビルが新型コロナウイルスの治療薬として承認されたことが相場を支えた一方で、ムニューシン米財務長官が与野党には大きな隔たりがあると述べたことで追加の経済対策に対する不透明感が相場の重石となるなか小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は45ドル高でスタートすると取引開始直後に72ドル高まで上昇しましたが、まもなくして下落に転じると昼過ぎに213ドル安まで下落しました。その後持ち直し大きく下げ幅を縮めたダウ平均ですが戻し切れず結局28ドル安の28,335ドルで取引を終え反落となっています。

一方でS&P500株価指数が11ポイント高の3,465ポイントと続伸となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も42ポイント高の11,548ポイントとなりこちらも続伸となっています。

2.経済指標等

10月の米製造業PMI速報値は53.3と前月から上昇しましたが市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスや一般消費財・サービス、不動産などの9業種が上げ、コミュニケーション・サービスは1%余り上昇しました。一方でエネルギーと情報技術の2業種が下げています。 

4.個別銘柄動向

インテル(INTC)が決算を受けて目標株価の引き下げが相次いだこと急落し10%余り下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。アメリカン・エキスプレス(AXP)も決算が減収減益となり1株利益が市場予想を下回ったことで3%以上下げ、ダウ平均構成銘柄でインテルに次ぐ下落率となっています。また、中国で数万台をリコールすると報じられた電気自動車のテスラ(TSLA)が1%以上下げました。一方でレムデシビルが米食品医薬品局(FDA)から新型コロナウイルスの治療薬として承認されたバイオ製薬のギリアド・サイエンシズが小幅に上げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.02%低い0.84%となりました。ドル円は104円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は先週末の米国市場でダウ平均が小幅な下げに止まったうえに、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が続伸となったことから堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が一日を通して堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)