【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 28,303.46  △530.70 (10/7)
NASDAQ: 11,364.60  △210.00 (10/7)

1.概況

米国市場はトランプ米大統領が一転して航空業界向けと中小企業への支援策を先行して成立させるよう議会に求めたことで大きく反発しました。198ドル高でスタートしたダウ平均はまもなくして470ドル高程度まで上げ幅を広げた後一旦上値が伸び悩みましたが、堅調に推移すると取引終盤に一段高となり一時は596ドル高まで上昇しました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局530ドル高の28,303ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も210ポイント高の11,364ポイントとなっています。

2.経済指標等

9月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨ではゼロ金利解除の条件を明示したフォワードガイダンスを巡り参加者間で意見の相違があることが明らかとなりました。また、8月の米消費者信用残高は前月比72億ドル減の4兆1447億ドルとなり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも素材と一般消費財・サービス、資本財・サービスが2%を超える上昇となり、情報技術とヘルスケアも2%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが上げました。そのなかでもセールスフォース・ドットコム(CRM)が4%近く上昇したほか、ボーイング(BA)も2度の墜落事故を起こし運航停止となっている737MAXの操縦訓練の内容を公表したことで3%以上上げました。

ダウ平均構成銘柄以外では、動画配信大手のネットフリックス(NFLX)が目標株価の引き上げを受けて5%を超える上昇となったうえ、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も13-14日に実施される有料会員向けセールが大幅増収になりそうとの指摘を受けて3%以上上げています。また、トランプ米大統領が航空業界向けの支援策を成立させるよう求めたことで空運株が買われ、アメリカン航空グループ(AAL)とユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が4%を上回る上昇となり、デルタ航空(DAL)も3%以上上げています。さらに製薬大手のイーライリリー(LLY)が開発中の新型コロナウイルス抗体療法の緊急使用認可を米食品医薬品局(FDA)に申請したと発表したことで3%を上回る上昇となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い0.78%となりました。ドル円は円安に振れ106円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の23,500円を引けで回復できるかがポイントとなりそうです。また、本日は日本時間の午前中に米大統領選の副大統領候補によるテレビ討論会が行われる予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)