米大統領選挙年の米ドル/円アノマリー

米大統領選挙年の米ドル/円は、選挙前は方向感のない小動きが続くものの、選挙前後から途端に一方向への大相場が展開する、論理的な説明は困難ながら、繰り返されるパターン、「アノマリー」があることを、これまで何度か紹介してきた。

それを具体的な数字で説明する場合に、わかりやすそうなのは90日MA(移動平均線)からのかい離率だろう。2000年以降の米大統領選挙年についてまとめたのが図表だ。これを見ると、大統領選挙前、9月末時点の米ドル/円の90日MAからのかい離率はおおむね±2%以内にとどまっていた。ところが、選挙後、11~12月のかい離率は、最大で±5%を大きく上回り、±10%以上に急拡大したケースもあった。

さて、足元の米ドル/円の90日MAは、106.6円程度。これを±5%以上かい離するなら、下方向なら101円、上方向なら112円を目指す計算になる。さらに±10%以上にかい離するなら、下方向なら95円、上方向なら117円を目指す計算になる。

【図表】米大統領選挙年の米ドル/円の90日MAからのかい離率(2000年~)
注.2020年は9月25日現在の数字。 出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成