米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、日本時間の今朝、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、多くの示唆に富んだ発言をしました。中央銀行総裁の職も板について、発言は分かりやすいようで玉虫色の部分もあるのですが、私は資産インフレに関係する質疑応答の部分に一番興味を持ちました。

物価上昇よりも資産価格が上昇するリスクはないのか、資産バブルのリスクは高くないのか、という主旨の質問に対して答えた部分です。曰く、コロナ問題が起きるまでの長期にわたる経済成長の期間に、量的緩和と低金利政策が採られたが、その間に金融バブルの問題は起きなかったのだ、と。中央銀行による資産購入(即ち資金供給・量的緩和)と、金融システムの安定性に強い関係があるとも考えない、とも云いました。

これらが意味することは必ずしも100%クリアではないのですが、金融システム・金融機関に問題があって流動性供給をしたなら格別、今回は新型コロナ問題が起きたので市中にお金を回すために金融機関を通して流動性供給をしているのであって、その結果として或る程度資産インフレが起きても、それは金融システムに問題を起こすことにはならない、と意味しているように聞こえます。さて、果たしてどうなることやら。

アメリカ大統領選、中央銀行のスタンス。そして日本の新政権、中央銀行のスタンス。気になることがいっぱいです!