今回も、前週の値動きを振り返りながら、窓について解説したいと思います。
先週の振り返り
前回コラムで解説したなかで、振り返るポイントは2つあります。1つは、9月3日を高値とした、前日と翌日との間であいた窓についてです。そしてもう1つはメジャーSQ後の動向についてです。
それでは、窓から解説したいと思います。
前回コラムでは、この時に発生した窓をコモンギャップ(=普通の窓)としました。
また理由は「窓を開けた水準(23,500円台)は、2020年2月の株価水準であり、過去の値幅の範囲内と考えられるからです」としたわけですが、その後も下落が続き、9月8日と9日、また9月9日と10日にそれぞれ新たな窓が形成される結果となりました。
この新たに発生した窓は、9月3日に高値を形成したときの窓を、5日移動平均線を挟んで逆さまにしたような形になっているのが分かります。
また、過去の値幅の範囲内であることから、やはりこの窓もコモンギャップ(=普通の窓)になるのではないかと考えられます。
そうなりますと、遅かれ早かれ、この窓を埋めることが考えられるわけですが、そこで重要な水準になるのがSQ値(23,272円88銭)です。
前回コラムで「SQ値を、日経平均が終値で上回ることができるのかどうかに注目する必要があると思います」と述べました。結果、SQ当日この値を上回って終えたことから、株価は上昇に転じて窓を埋める結果になっており、前回指摘したSQ値を上回るか、下回るかの判断が有効だったということになります。
今後の動向について
では、今後の動向についてです。株価は3月以降の戻り高値を更新するなか、9月15日の終値で上向きの5日移動平均線上を維持しています。このまま戻りを試す展開が考えられる反面、9月9日を挟んで前後にあけた窓を埋めることになるのかどうかも気になるところです。
そうしたなか、この窓がコモンギャップだとすれば、埋める可能性が出てくるわけですが、5日移動平均線を下回るかどうかが重要なカギになるのはもちろんのこと、SQ値を下回るかどうかも重要なポイントになってくるのではないかと思われます。
仮にSQ値を終値で下回るようですと、9月9日を挟んだ窓を埋めることが考えられることに加え、8月7日と11日にあけた窓に接近することも考えられ、要注意です。
今回のように、コモンギャップが5日移動平均線を挟んで上下に発生するような場合、方向が定まらないだけでなく、高値掴みや安値で売ってしまうことにもなりかねず、売買タイミングが非常に難しくなります。
ですので、トレンドの発生がはっきりするまで、買いも売りもポジションを大きくし過ぎないように注意したいところです。