前回コラムでは、5日移動平均線の重要性について解説しましたが、その後どのような値動きになったのか、チャートで確認したいと思います。
また、新たな窓が発生したり、埋まったりしていますので、それらの窓についても確認していきましょう。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤丸=埋まっていない窓、青丸=埋まった窓

5日移動平均線の確認

まずは5日移動平均線についてです。前回コラムでは、「上向きの5日移動平均線を下回って終えていますが、このまま5日移動平均線を上回ることができずに、5日移動平均線が下向きに変化するかが、今後の株価動向を左右するカギになりそうです」と述べました。

実際には、その後5日移動平均線が下向きに変化すると同時に、5日移動平均線が上値の抵抗になり、今週月曜日(8月24日)まで株価の上昇をおさえる展開となりました。

こうして見ますと、単純なことではありますが、5日移動平均線を株価が下回ると同時に5日移動平均線が下向きに変化すると、上値が重たくなって株価水準も切り下がる結果となっているのが分かります。

また、この短期的な反落局面で、8月12日と13日のあいだにあけた窓を、発生後すぐに埋めており、この窓がコモンギャップだったことが証明されたのではないかと思います。

窓埋めと新たに発生した窓について

そうしたなか、8月25日に新たな窓が発生し、5日移動平均線を一気に上回って始まると、ついに2月21日と2月25日のあいだにあけた窓を埋める結果となりました。

これで、2月の窓が発生してから、およそ6ヶ月でようやく窓が埋まったことになります。ただ、2月の窓は埋まりましたが、8月25日に発生した窓はどの窓と考えればよいのでしょうか。

また、5日移動平均線を上回って終えていますので、今後の展開について、どのように予測すればよいのでしょうか。

今後の展開の予測

では、「今回発生した窓はどの窓なのか」から考えたいと思います。今回発生した窓ですが、8月の終値ベースの高値を更新していますが、この窓も私はコモンギャップ(普通の窓)ではないかと考えています。それは、始値が8月14日の高値を上回っておらず、過去の値幅の範囲内で始値がスタートしているからです。

例えば、ブレイクアウェイギャップ(突破する窓)は、8月14日の取引時間中の高値を上回って始まる必要があるため、今回の窓のように8月14日の値幅の範囲内で始まった場合、ブレイクアウェイギャップとは呼ばないのです。

したがって、この窓はコモンギャップと考えられ、直ぐに埋まってしまう可能性があると考えられます。

では、本当に直ぐに埋まってしまうのかを考える上で重要なのは何でしょうか。

それが冒頭に解説した「5日移動平均線上を維持できるか」なのです。仮に5日移動平均線上を維持するようですと、一気にとは言わないまでも、24,000円台に接近したり、上回ったりする可能性が出てきそうです。逆に、5日移動平均線上を維持できないようですと、8月25日に発生した窓や、8月7日と11日の間にあけた窓を埋めることが視野に入ってくるのではないかと思われます。

また、最悪の場合、200日移動平均線より下に位置している、まだ埋まっていない沢山の窓を埋めることも考えられます。したがって、5日移動平均線上を維持できずに終値で割り込んで戻せなくなった時は、トレンドの転換もイメージし、埋まっていない窓を埋める可能性があることを忘れないようにする必要があると思います。