最近、ニュースの本数が減ってきているように感じます。恒常的にネット上でニュースを確認するクセがあるのですが、以前に比べて更新頻度・本数が減った気がします。何故だろう?コロナ禍で社会の動きが止まって事件やニュースが減ったか?うーん、それはにわかには信じがたいですね。記者の動きが止まって、取材が減った。これはありそうです。或いは記事を編集したりピックアップする人たちの活動が減って、配信されるニュースが減った。これが一番ありそうな気がします。即ち、かつてはニュースに取り上げなくてもいいようなものまで取り上げられていて、今はニュースに取り上げるべきものも若干見逃されている。

この手のことを考える時にいつも思い出すのは「パジェロ炎上」のニュースです。あれは20年近く前だったでしょうか、今日もパジェロが燃えた、なるニュースが連日映像と共にテレビを流れていました。大きな騒動だったので、覚えている方も多いのではないでしょうか?しかしあの時、私は調べてみたのですが、日本全国で年間に炎上する自動車の数はそれなりにあって、今でも年間1600台くらいあるのですが、確か当時はもっとあったのです。毎日5台くらいか?そして当時パジェロは大人気の車で、猫も杓子も乗っている状況でしたから、週に2台くらい燃えても、極めて平均的な数字だった筈なのです。今は手元に詳しいデータがありませんが、当時私が計算すると、報道されているパジェロ炎上の台数は、統計的に極々当たり前の数字でした。しかしもちろん、国民が得た印象は全く違います。パジェロだけが毎日燃えている、となったのです。

報道は、いやなべて情報というものは、斯くも恐いものであり、全て受け手の私たちが、正しいパースペクティブ(遠近感)と判断力を持たないといけないと思い知ったものです。今、ニュースが減ってきているのも(少なくとも私はそう感じているのですが)、そんな筈はないので気を付けなければいけないと思っています。